忍者ブログ

宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

[221]  [220]  [219]  [218]  [217]  [216]  [215]  [214]  [213]  [212]  [211

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【542】

 三日月が空の端に引っかかっている。
 星も出ているが、やはり月が大きくないと夜は深くどこかに何かが潜んでいるような気がして、彼女はふるりと身を震わせた。
 本来ならこんな夜更けに外に出るつもりではなかったのだ。
 最近は物騒な噂が多いし、闇が深くなればあやかしも現れる。だが、少し遠い所に嫁いだ幼馴染の見舞いがことのほか長引いてしまったのだった。
「早く、帰ろう」
 呟いて、近道をしようと大通りから路地へ入る。
 しかし、その足がふと、止まった。
「誰?」
 目の前に誰かが立っていた。
 暗くて、提灯をかざしても顔は見えない。かろうじて着流しの男であることは見て取れた。
「すみません、通してください」
 男は路地の中央にたたずんでいた。脇をすり抜けるにもほとんど隙間はない。困った彼女の声に、ふっと笑う気配がした。
「なるほど、梅ほど香らず、桜ほど華麗ではないが、桃の可憐さを持つ、って感じだな。年頃の可愛い娘さんが供も連れずに外出とは、物騒じゃねえかい?」
「あの・・・」
「だから、こんな目に遭うんだぜ。すまねえな」
 気付いたら、すぐそばににやりと笑う男の顔があった。
 そして、首の後ろを軽く叩かれる。
 体から力が抜ける。
「あ・・・」
 崩れる自分の体が男に抱きとめられるのを感じた。
 倒れそうになった拍子に、懐から地面に小さな匂い袋が転がり落ちる。
 幼い頃、幼馴染と交換したそれに手を伸ばそうとして、彼女は闇に落ちていくように意識を失った。


お題:「三日月」、「匂い袋」、「桃」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
「かどわかし」とは誘拐のことです。
今日は頭が死んでいる・・・。
風邪ひいてて。
そのわりに日常雑記は書きまくりですが(^^;)。

拍手ありがとうございます。
そう、犬は大喜びしているよりも、ちょっとしょぼくれている時が可愛いと思います。
どちらにせよ、ストレートな表現をするイメージですよね。
要は、どちらも可愛い♪

あやかしbotでついのべをするのはどうなのかな、と自分でも思わないでもないのですが、現在本家のアカを鍵つきにしているので、ハッシュタグつけても見えないし、でも、月一のついのべデーくらいは参加したいし、で、時々そちらでついのべを落としてます。
創作にもbotにも中途半端ですが、まあ、当分はこの形式で。文句が来るほど見てる人もいないし(^^;)。
ちなみにbotは少しずつ言葉増やしています。
最近だと「かまいたち」と「豆腐小僧」が呼ばれると出てきます。あと、「雪」、「金平糖」、「卵」、「元気」なんかに反応するようになりました。
そのうち、説明ページにも付け加えておきますね。

ツイッターの鍵、なかなか外す踏ん切りがつかないな・・・(^^;)。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[0回]

PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
携帯用絵文字   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする:

その先へ HOME いつか

HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
カウンター
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

忍者ブログ [PR]
template by repe