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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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ボクはずっと君の雨傘でいるのが嬉しかった。君を雨から守るのも、泣き顔を隠すのも、ボクの大事な役目だった。ただね、君と彼の口づけを隠してあげるのは少し辛い。だからボクは突然の風にさらわれたふりをした。これからは、彼と彼の傘が君を守ってくれるよ。

【twnovel/雨傘の行方/企画参加】

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蝶柄の番傘が人気らしいと聞いて、傘屋に行ってみた。
 確かに華やかだが落ち着いた図柄で、人気があるのもわかる。
 広げてみようかと一本手にすると、蝶の柄がぶれたように見えた。
「あ、お客さん、あやかしは触ったらあかん!」
 店員の声も待たず、傘に描かれた蝶が一斉に空へ舞い上がった。

【twnovel/書き出し/妖草紙】

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満月の夜には特別にゃ。
聞こえたのは夢だっただろうか。
いや、だがこれはどう説明する?
真夜中、満月がさし込む部屋。照らされたベッドの上で、僕は尻尾を一振り。
寝るときにはなかったはずの尻尾がとても馴染んでいる。
窓の隙間から外に抜け出せば、あいつが得意気ににゃあと鳴いた。

【twnovel/企画参加/猫の杖/猫】

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「いい夜だね」
 星降る夜に猫たちは集う。星を集めて星酒を作るのだ。
「今回は少し硬いかな」
「じゃあ、酒はいいものにしよう。極上の逸品になるよ」
 しゃららと瓶に星を入れ酒を注げば、瓶はほんのり輝き出す。
「宴会には君もおいで」
 ウインクしたのはうちの猫だった。

【twnovel/企画参加/猫の杖/猫】

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【Twitter Novels】
【巳年】
「ほら、今年は年神様なんですからお顔を出さなければ」
 社の正月の宴の用意が進む中、奥の院で困ったような声がする。
「いーやーじゃ」
 応じる声は布団の中から聞こえる。
「お起きになってください、蛇姫様」
「嫌じゃ!寒い!蛇は冬眠中じゃ」
「姫は神通力があるじゃないですか!」
「綺麗なお着物が届いていますよ」
「姫のお好きなお料理をご用意しましたよ」
「社は暖かくしてございますよ」
 しもべたちの声に布団から姫が顔を出す。
「姫、さ、こちらへ」
 この機を逃さず手を引かれ、姫はするりと布団から連れ出された。
「さあ、お髪を整えましょうね」
「薄くお化粧も」
「かんざしはこちらを」
 渋々しもべたちに好きにさせていた蛇姫だったが、年頃の姫らしく華麗な着物やかんざしに段々気持ちが浮き立ってくる。
「この装いが映えるよう、新しい年を晴天で始めるぞよ!」
 美しい初日の出が顔を出した。

【初夢三題】
 鷹を肩に止まらせた少年は、富士の裾野から高嶺を見上げ黙って寒風に吹かれていた。
 鷹匠というには幼い横顔であったが、その瞳は相棒と同じように鋭い。
 茄子の漬物が入った握り飯を食うと、少年は鷹を解き放った。
 春には将軍が狩りに来る。その供に指名されるためには技を磨かねばならぬ。

【都々逸】
【二次元少年】
俺だけだよねと震える声で背(せな)から抱き締め愛を乞う
背(せな)抱き締める腕さえ硬く冷たい画面に阻まれて
晴れ着で装う君が綺麗と切ない呟き伝われば

スカートの裾 ひらりと揺れて 目を奪われる 脚線美

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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