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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【302】

顔を寄せるとふわりと白粉の匂いがした。
「ねえ、裏口からこっそり逃がしてくれる?」
内緒話をするように耳元で囁けば、街道沿いの安宿の一人娘など真っ赤になって頷く。
ご丁寧に幾らか金すら持たせてくれた娘の頬に口づけて、俺は宿を後にした。
一瞬後には娘の事など忘れていた。

お題:「街道」、「白粉」、「内緒話」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
サイテーですね(^^;)。

【303】

あれが欲しいと駄々をこねる幼子にほとほと困り果てていた。
夜空を見上げては手を伸ばす。
しかし、幾万あろうとも、空の星には手が届かない。
機嫌を損ねる幼子に、俺は小さなたらいを持ってきた。
井戸の水を張ると、そこにはもうひとつの星空。
幼子は覗き込んで嬉しそうに笑った。

お題:「星に手は届かない」

【304】

ゆめかうつつか、うつつかゆめか。
霞の空に紅き月。
滴る雫で反物染めて、蝶を捕らえて散らして飾る。
愛し恋しのおまえの為に、この世に二つとない着物、
仕立ててその身を飾りに行こう。

お題:「ゆめうつつ」

【305】

何も思い付かないんだ。
君は欲しいものは自分で選ぶし、人から押し付けられるのは嫌いで、何をあげたらいいかさっぱりわからない。
だけど一緒に歩いているときに、ふと気づいたんだ。
花屋の店先で君が目元をほころばせることに。
だから、僕の気持ちを忍ばせた花束を君に贈るよ。

お題:「花束を君に」

【306】

あどけない寝顔に口づけて、すべてを許された気分で眠りに落ちる。

お題:「あどけない寝顔」

【307】

寂しくなんかないよ。
ちょっと仕事で三日会えないとか、そんなことくらいで駄々をこねるほど子供じゃないよ。
そう言ったら、君の手が僕のほっぺたを両側から挟んで、ぐいっと自分の方に向けた。
重なったくちびるが二センチだけ離れる。
そして、嘘つき、とそのくちびるが言った。

お題:「嘘つき、とそのくちびるが言った」

【308】

すき。何百年たっても君がすき。
きらい。君を待つ時間がきらい。
すき。でもやっぱり君しか要らないから、もう一度出会えるときを想えば胸が高鳴るよ。
早くまた、巡り会おうね。僕の大好きな君。

お題:「すき、きらい、すき」


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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