宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【635】
霧の夜に吉原の大門をくぐると、時に違う場所へ繋がっていることがある。
霧の漂う通りに、妖しく揺れる妓楼の灯り。
まだ夜更けには早いのに人影はまばらで、そのくせ格子の向こうからかけられる声は妙に耳につく。
たおやかな白い手を取った覚えも曖昧なまま、気付けば座敷で花魁に酌などされている。
微笑みかける瞳は瑠璃や珊瑚の色に染まり、行灯に揺れる影には尖った耳や尻尾が揺れる。
もう逃がしませぬ、とささやかれたら、もうそこから動けない。
あやかしの花魁は、人のそれより情が深い。
朝の別れが来ぬ花街で一生過ごすつもりでないなら、霧の夜には吉原の大門をくぐらぬがよろしかろう。
お題: 「霧」、「瑠璃」、「花魁」で創作しましょう。 #jidaiodai http://shindanmaker.com/138578
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霧の夜に吉原の大門をくぐると、時に違う場所へ繋がっていることがある。
霧の漂う通りに、妖しく揺れる妓楼の灯り。
まだ夜更けには早いのに人影はまばらで、そのくせ格子の向こうからかけられる声は妙に耳につく。
たおやかな白い手を取った覚えも曖昧なまま、気付けば座敷で花魁に酌などされている。
微笑みかける瞳は瑠璃や珊瑚の色に染まり、行灯に揺れる影には尖った耳や尻尾が揺れる。
もう逃がしませぬ、とささやかれたら、もうそこから動けない。
あやかしの花魁は、人のそれより情が深い。
朝の別れが来ぬ花街で一生過ごすつもりでないなら、霧の夜には吉原の大門をくぐらぬがよろしかろう。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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