宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【355】
「あの屋敷なら金があるであろう!」
「忍び込んで盗めば盗賊となれるのだな」
見れば小さなあやかしたちが良からぬ相談をしている。
どうも読んでやった義賊の絵草紙が悪かったらしい。
でも黒装束はいいが、変化が下手なので耳も尻尾も隠れちゃいない。
まずは鏡の前で練習が先だな。
お題:「屋敷」、「鏡」、「尻尾」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
【356】
空っぽの体に空っぽの心。
壊れた人形のように床にくたりと座ったままの僕。
君が現れて、お伽噺のようなキスをくれても、僕は動かず、喋らず、笑わない。
平気だよ。
なんにもない僕には「さみしい」も「かなしい」もないもの。
「じゃあ、どうして泣いているの?」
泣いてるって誰が?
お題:「なんにもない」
【357】
生きている。
ひどい痛みのはずなのに、君は笑う。
生きている。
それがわかるから嬉しいの。
そう言って腕を赤く染めて笑う。
僕はそんな君をただ抱き締める。
そして、丁寧に丁寧に包帯を巻いてあげる。
心臓に突き刺すような痛みを感じながら。
甘くうっとりした君の視線を感じながら。
お題:「突き刺すような痛み」
【358】
飛べない鳥は籠の中、今日も空を見上げてる。
抜けるように青い空。
そこに抱かれる夢を見て、今日も一人見上げてる。
自分の背中に羽はなく、叶わぬ願いと知りもせぬ。
そしてやがては飛べぬまま、空に向かって身を投げる。
お題:「飛べない鳥」
【359】
キレイゴトでも、エソラゴトでも、何でもいいや。
悲しいことや落ち込むことを考え出すとどこまでも堕ちていくんだから、せめてここでは幸せな場面を描いていたいだけなんだ。
でもね、知ってた?
甘い台詞も、都合のいい奇跡も、全部「もしかしたらあるかもしれないこと」なんだよ。
【360】
雨が降りやまない。
ぼんやりと外を眺めても、くすんだような景色は目に入らず、気がつけば君のことばかり考えてる。
会いたいよ。
いま、何してる?
少しは僕に会いたいと思ってくれてるかな。
そう考えていたら、視線の先に傘をさした君が魔法のように現れた。
お題:気がつけばお前のことばかり考えてる
【361】
傷が熱い。
肩を切りつけられただけだけど、熱さと傷みに意識が朦朧とする。
「化け物は死ね」という叫びが体の中で僕のあやかしの血を沸騰させる。
だけど。
「あんたは傷つけちゃダメ」
君が僕を抱き締めて止めるから。
殺意を暴力的なほどの愛撫にすり替えて、僕は衝動に身を任せた。
お題:衝動に身を任せた
【362】
一人で舞い上がってバカみたいだ。
夏祭りに一緒に行きたくて、君を誘おうとした時に聞こえてきたのは、他の奴に放った君の声。
「誘われたら誰にでもついていくと思わないでよね」
言い切る姿に、自然と足が止まる。
そしたら振り返った君に腕を捕まれた。
「あたしは自分で誘うのよ」
お題:一人で舞い上がってバカみたいだ
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「あの屋敷なら金があるであろう!」
「忍び込んで盗めば盗賊となれるのだな」
見れば小さなあやかしたちが良からぬ相談をしている。
どうも読んでやった義賊の絵草紙が悪かったらしい。
でも黒装束はいいが、変化が下手なので耳も尻尾も隠れちゃいない。
まずは鏡の前で練習が先だな。
お題:「屋敷」、「鏡」、「尻尾」で創作しましょう。
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【356】
空っぽの体に空っぽの心。
壊れた人形のように床にくたりと座ったままの僕。
君が現れて、お伽噺のようなキスをくれても、僕は動かず、喋らず、笑わない。
平気だよ。
なんにもない僕には「さみしい」も「かなしい」もないもの。
「じゃあ、どうして泣いているの?」
泣いてるって誰が?
お題:「なんにもない」
【357】
生きている。
ひどい痛みのはずなのに、君は笑う。
生きている。
それがわかるから嬉しいの。
そう言って腕を赤く染めて笑う。
僕はそんな君をただ抱き締める。
そして、丁寧に丁寧に包帯を巻いてあげる。
心臓に突き刺すような痛みを感じながら。
甘くうっとりした君の視線を感じながら。
お題:「突き刺すような痛み」
【358】
飛べない鳥は籠の中、今日も空を見上げてる。
抜けるように青い空。
そこに抱かれる夢を見て、今日も一人見上げてる。
自分の背中に羽はなく、叶わぬ願いと知りもせぬ。
そしてやがては飛べぬまま、空に向かって身を投げる。
お題:「飛べない鳥」
【359】
キレイゴトでも、エソラゴトでも、何でもいいや。
悲しいことや落ち込むことを考え出すとどこまでも堕ちていくんだから、せめてここでは幸せな場面を描いていたいだけなんだ。
でもね、知ってた?
甘い台詞も、都合のいい奇跡も、全部「もしかしたらあるかもしれないこと」なんだよ。
【360】
雨が降りやまない。
ぼんやりと外を眺めても、くすんだような景色は目に入らず、気がつけば君のことばかり考えてる。
会いたいよ。
いま、何してる?
少しは僕に会いたいと思ってくれてるかな。
そう考えていたら、視線の先に傘をさした君が魔法のように現れた。
お題:気がつけばお前のことばかり考えてる
【361】
傷が熱い。
肩を切りつけられただけだけど、熱さと傷みに意識が朦朧とする。
「化け物は死ね」という叫びが体の中で僕のあやかしの血を沸騰させる。
だけど。
「あんたは傷つけちゃダメ」
君が僕を抱き締めて止めるから。
殺意を暴力的なほどの愛撫にすり替えて、僕は衝動に身を任せた。
お題:衝動に身を任せた
【362】
一人で舞い上がってバカみたいだ。
夏祭りに一緒に行きたくて、君を誘おうとした時に聞こえてきたのは、他の奴に放った君の声。
「誘われたら誰にでもついていくと思わないでよね」
言い切る姿に、自然と足が止まる。
そしたら振り返った君に腕を捕まれた。
「あたしは自分で誘うのよ」
お題:一人で舞い上がってバカみたいだ
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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