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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【375】

ひょこんひょこんと跳ねてきた雪兎は、頭に見慣れぬものをつけていた。
それは短いながらも立派な鬼の角だった。
「もしかしてあの時の鬼?」
「しかたあるまい。主の気は強くてこのような姿でなくば近づけぬ」
墨の様に黒い瞳がつぶらで、思わず笑ってしまう。
「なんじゃ、笑うな!」

お題:久遠さんは、「雪兎」、「墨」、「鬼」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578

【376】

もうだめだ。逃げられない。
膝をついた俺の手を柔らかく包む手があった。
顔をあげればいつのまにか少女が俺を見上げている。
「もう大丈夫。主様は我が守る」
にこりと微笑む。
「人情、教えてくれた主様に恩返し」
ああ、この子はあの時の子狐か。
手当てした腕の傷痕が白く残っていた。

お題:題材[逃げられない,人情,包む,もう大丈夫]ハートフルな感じでやってみよう! http://shindanmaker.com/9025

【377】

時々、迷う。
袋小路に入りこむ。
出口が見つからない。
そんなときはどうすればいい?
とりあえずその場にしゃがみこんで空を見上げてみるけど、雲は浮いてるだけで何も言っちゃくれない。
ほんと、どうしよっかな。

【378】

僕が人間じゃなくても、平気で笑って「知ってたよ」なんて言える女の子なんて、君しか知らない。
それでも僕を見て、僕の手をとって、僕を愛してくれる女の子なんて、君しか知らない。
他は知らなくていい。
ただ、君だけでいい。

お題:君しか知らない

【379】

とっさに手を握った。
引っ張って走り出す。
道を選び、追っ手を撒き、ひとけのない物陰で足を止める。
やっと振り返ると、まっすぐな瞳が僕を見つめていた。
「怖くないの?こんな裏通りに、有無を言わさず連れ込んでるんだよ」
僕の言葉に君は迷いもなく首を振った。
「信じてるから」

お題:裏通りに連れ込んで

【380】

僕は君の温もりを忘れない。君が僕の温もりを魂に刻んでまた生まれてくるように。

【381】

気づいたら一人だった。
拾われて一人じゃなくなった。
でもどこかで自分は一人だと感じていた。
君と出会った。
仲間じゃなくて家族になった。
一人じゃないとやっと思えた。
君もそうだと笑った。
だから、いつか一人になっても忘れないように、手を繋いで温もりを感じて、僕らは眠る。

お題:僕らは眠る


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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