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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【404】

空が高すぎて、両手を伸ばしても届かない気がする。
雲もなく広すぎて、自分一人きりのような気がする。
うるさかった蝉の声がやんで、ふと静けさに押し包まれる気がする。
だから、秋は物悲しいのだと、心のどこかで納得する。

【405】

奉行所の奥座敷に引き立てられた少年を見て、同心たちは息を飲んだ。
少年は燃える様な紅の髪と瞳を持ち、全身に怒りをみなぎらせていた。
さながら、あやかしである。
「殺すなら殺せ!」
鋭い牙をちらつかせて叫ぶ少年にみな怯えたが、奉行だけは何故かうっすらと笑みを浮かべていた。

お題:「奉行所」、「紅」、「牙」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
フォロワーさんに続きが気になると言っていただきました。
この奉行が何を考えているのか。
少年は何者なのか。
私も気になります。
短くていいので、先に続けられる方向で書いてみたいです。


【406】

全身に叩きつける雨の中で、燃えるように熱い背中をかばうように自分で自分を抱き締める。
翼をもがれ、地におとされた。
背中の傷はまだ血を流している。
しかし、天に縛られないこの解放感!
「おら、いくぞ」
私の頭を優しくはたいて歩き出した男のために、私は天を捨てたのだ。

お題:本日の身体部位は「背中」、行動は「はたく」、痛々しい作品を創作しましょう。補助要素は「雨」です。
http://shindanmaker.com/73897

【407】

「さあ、殺すがいいさ」
切っ先をのどに感じながら、負け犬が笑う。
「あと一突きでお前の勝ちだ。だが、俺は初めてお前の手を血の穢れで染め、お前の脳裏に亡骸として焼き付くだろう」
そして、うっとりと呪いの言葉を口にした。
「俺を忘れることは許さない。永久に」

お題:負け犬が笑う。


【408】

流れる涙に唇を寄せる。
しょっぱいはずの涙が、僕には甘い蜜のような雫。
だから、口づけて、悲しみを受け止めるのもちっとも苦じゃないんだ。
無理に笑わなくていいよ。
ちょっとずつ元気になろう?
僕が、抱き締めててあげる。

お題:あまい蜜のような

【409】

君がもし世界のすべてに否定されたと感じても。
周りの人が君ばかり責めていると思っても。
僕だけは君を裏切らない。
絶対にそばから離れない。
だって。
僕は君のものなんだから。
だから、一人で泣かないで。
僕を信じて。

お題:俺は君のもの


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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