宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【410】
満月の夜に、絡まる蔓の葉の一枚一枚から夜露を集める。
それを使って丁寧に墨をすり、心をこめて筆を走らせる。
この間、一言も口をきいてはならぬ。
また、人の灯火は月光の力を散じてしまうから、灯してはならぬ。
出来た護符は、あやかしを人から守るものだ。
故に、人には渡せぬよ。
お題:久遠さんは、「月夜」、「護符」、「蔓」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
【411】
降り下ろされた切っ先が、竜を一刀両断した。
その切り口から転がり落ちた赤い石が、雲間から射し始めた陽光に不気味に輝く。
剣士はためらいなくそれを踏み潰した。
竜の心臓石を求めて幾人が竜に挑み、命を落としただろう。
だが、それももう終わる。
「さよなら、最後の竜」
お題:題材[取り出された,雲間,踏み潰す,さよなら]ファンタジー風やってみよう! http://shindanmaker.com/9025
【412】
俺は神を望んだわけじゃない。
縋りつける相手を望んだんだ。
縋れるなら、悪魔だろうと化け物だろうと構いはしなかった。
そして、救ってほしいと思ったことなどない。
ただ、俺と共に地獄へ落ちてくれれば、それでよかったんだ。
だから、神や救いなど、いらない。
失せろ。
お題:『神を望んだわけじゃない。縋りつける相手を望んだんだ。』
http://shindanmaker.com/134159
【413】
月夜になると根付の兎がぴょんぴょんと跳ねて落ち着かぬ。
兎と月は縁深いゆえ、力も高まるのであろう。
そう思っていると、満月の晩、誰かに揺り起こされた。
見れば見慣れぬ童がちょこんと座っている。
「何者だ?」
「ねつけ」
「根付?」
笑う童の頭には長い兎の耳が揺れていた。
お題無しで、月夜をモチーフにしてみました。
以前から時々登場させている根付の兎さんですが、少し力がついて、月夜なら人型になれるようになりました。
でも、まだ耳を隠すのは無理のようですw
【414】
満月に、どっか行っちゃいそうな気がして君をぎゅっと抱き締めた。
君は僕を抱き締め返して呆れた顔で笑う。
「かぐや姫なんかじゃないんだし」
それなら月からの使者を全員ぶちのめすだけでいいから、話は早いのに。
時間の流れは止めようもなく僕らを押し流そうとする。
【415】
蛍を見ると甘くほろ苦い思いに胸が締め付けられる。
君はうれしそうにはしゃいで、でも僕が捕まえてあげようとしたら、慌てて止めたっけ。
蛍は死んだ人の魂が宿っていることがあるから、捕まえちゃダメだと。
そうだね。
今ならわかるよ。
僕は指にそっと止まった蛍に囁いた。
お題:あまくほろ苦い思い出
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満月の夜に、絡まる蔓の葉の一枚一枚から夜露を集める。
それを使って丁寧に墨をすり、心をこめて筆を走らせる。
この間、一言も口をきいてはならぬ。
また、人の灯火は月光の力を散じてしまうから、灯してはならぬ。
出来た護符は、あやかしを人から守るものだ。
故に、人には渡せぬよ。
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【411】
降り下ろされた切っ先が、竜を一刀両断した。
その切り口から転がり落ちた赤い石が、雲間から射し始めた陽光に不気味に輝く。
剣士はためらいなくそれを踏み潰した。
竜の心臓石を求めて幾人が竜に挑み、命を落としただろう。
だが、それももう終わる。
「さよなら、最後の竜」
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【412】
俺は神を望んだわけじゃない。
縋りつける相手を望んだんだ。
縋れるなら、悪魔だろうと化け物だろうと構いはしなかった。
そして、救ってほしいと思ったことなどない。
ただ、俺と共に地獄へ落ちてくれれば、それでよかったんだ。
だから、神や救いなど、いらない。
失せろ。
お題:『神を望んだわけじゃない。縋りつける相手を望んだんだ。』
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【413】
月夜になると根付の兎がぴょんぴょんと跳ねて落ち着かぬ。
兎と月は縁深いゆえ、力も高まるのであろう。
そう思っていると、満月の晩、誰かに揺り起こされた。
見れば見慣れぬ童がちょこんと座っている。
「何者だ?」
「ねつけ」
「根付?」
笑う童の頭には長い兎の耳が揺れていた。
お題無しで、月夜をモチーフにしてみました。
以前から時々登場させている根付の兎さんですが、少し力がついて、月夜なら人型になれるようになりました。
でも、まだ耳を隠すのは無理のようですw
【414】
満月に、どっか行っちゃいそうな気がして君をぎゅっと抱き締めた。
君は僕を抱き締め返して呆れた顔で笑う。
「かぐや姫なんかじゃないんだし」
それなら月からの使者を全員ぶちのめすだけでいいから、話は早いのに。
時間の流れは止めようもなく僕らを押し流そうとする。
【415】
蛍を見ると甘くほろ苦い思いに胸が締め付けられる。
君はうれしそうにはしゃいで、でも僕が捕まえてあげようとしたら、慌てて止めたっけ。
蛍は死んだ人の魂が宿っていることがあるから、捕まえちゃダメだと。
そうだね。
今ならわかるよ。
僕は指にそっと止まった蛍に囁いた。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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