宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【852】 宵月楼
猫が爪で引っ掻いたような細い月が夜空に引っ掛かっている。よく見ればそれはいつもより赤く禍々しさを漂わせている。うっすらと霧が流れたらそれはあやかしの領域が混じりこんだ合図。昼間は穏やかな空気に満ちていた建物が、妖しい鬼火に照らされてあやかし相手の商売を始める。
うちのイメージ。
【853】 封ヲ解ク
今、口を開くと、君を傷つける言葉を際限無く吐いてしまいそう。目を伏せ、引き結んだ唇にちょん、となにかが当たる。ふわりと甘い香り。驚いて目を開けると、君が僕の唇に棒付きの飴を当てて笑ってる。「苦い言葉は消えちゃうよ?」君には敵わない。僕はパクリとそれをくわえた。
【854】 紅い部屋
紅い部屋。それが僕の知る唯一の風景。僕は生まれたときからずっとここに居て、そして、君が流した血に部屋がさらに赤く染まるのを見つめ続ける。僕にできることはない。君はここに僕を閉じ込めてしまったから。だから今日も声だけがむなしく響く。「やめてよ!僕!」
書き出しをお借りして。
【855】 間際
おはよう、そしておやすみ。それが聞こえた唯一の言葉。避ける間もなく刺し貫かれる体。白刃を染める深紅。そして、目の前に君の笑顔。でも。「泣かせて、ご・・・め・・・」君の頬を一筋だけ伝い落ちた涙をぬぐいたいのに、もう手が上がらないよ。
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猫が爪で引っ掻いたような細い月が夜空に引っ掛かっている。よく見ればそれはいつもより赤く禍々しさを漂わせている。うっすらと霧が流れたらそれはあやかしの領域が混じりこんだ合図。昼間は穏やかな空気に満ちていた建物が、妖しい鬼火に照らされてあやかし相手の商売を始める。
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今、口を開くと、君を傷つける言葉を際限無く吐いてしまいそう。目を伏せ、引き結んだ唇にちょん、となにかが当たる。ふわりと甘い香り。驚いて目を開けると、君が僕の唇に棒付きの飴を当てて笑ってる。「苦い言葉は消えちゃうよ?」君には敵わない。僕はパクリとそれをくわえた。
【854】 紅い部屋
紅い部屋。それが僕の知る唯一の風景。僕は生まれたときからずっとここに居て、そして、君が流した血に部屋がさらに赤く染まるのを見つめ続ける。僕にできることはない。君はここに僕を閉じ込めてしまったから。だから今日も声だけがむなしく響く。「やめてよ!僕!」
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【855】 間際
おはよう、そしておやすみ。それが聞こえた唯一の言葉。避ける間もなく刺し貫かれる体。白刃を染める深紅。そして、目の前に君の笑顔。でも。「泣かせて、ご・・・め・・・」君の頬を一筋だけ伝い落ちた涙をぬぐいたいのに、もう手が上がらないよ。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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