宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
[193] [192] [191] [190] [189] [188] [187] [186] [185] [184] [183]
【511】
三日月に、すすきがさやさやと揺れる宵。
飴売りは古い陶器の入れ物を荷物の奥から大事そうに取り出す。
虫の声しか聞こえない静かな場所で、ろうそくの火すらつけず、三日月の先から滴る月光をこぼさないように慎重にその入れ物に受ける。
ゆっくりとたまっていく月光は、次第にとろりと濃密になり、やがて飴売りはにっこり笑うとふたを閉めた。
紙で包み、布でくるみ、荷物の奥に入れ物をしまいこむのを見て、遠巻きにしていた狐や狸の子が駆け寄ってきて着物をひっぱった。
「月の飴!」
「飴!しまっちゃうの?」
「ちょうだい!」
飴売りは苦笑した。
「これはもっと時間をかけないと、甘くならないんだ。ほら、代わりにこれをやろう」
手妻のように指の間に小さな飴玉がぽんぽんと現れる。
それを一個ずつ子供たちの口に放り込んでやると、飴売りは今日採った月光の飴が甘くなる頃にまた来ると約束して、その場を後にした。
お題:「三日月」、「着物」、「飴売り」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
飴売りも、三回目くらいの登場です。ちょっとさかのぼってないんですが。
いい加減、気に入ったものだけでも一覧を作るべきかもしれませんね。
昨日の狐さんが好評です。
ありがとうございます(^^)。
このあと、お嬢とどういう関係になるのかなー、なんて考えたりすると楽しいですね。
参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村
三日月に、すすきがさやさやと揺れる宵。
飴売りは古い陶器の入れ物を荷物の奥から大事そうに取り出す。
虫の声しか聞こえない静かな場所で、ろうそくの火すらつけず、三日月の先から滴る月光をこぼさないように慎重にその入れ物に受ける。
ゆっくりとたまっていく月光は、次第にとろりと濃密になり、やがて飴売りはにっこり笑うとふたを閉めた。
紙で包み、布でくるみ、荷物の奥に入れ物をしまいこむのを見て、遠巻きにしていた狐や狸の子が駆け寄ってきて着物をひっぱった。
「月の飴!」
「飴!しまっちゃうの?」
「ちょうだい!」
飴売りは苦笑した。
「これはもっと時間をかけないと、甘くならないんだ。ほら、代わりにこれをやろう」
手妻のように指の間に小さな飴玉がぽんぽんと現れる。
それを一個ずつ子供たちの口に放り込んでやると、飴売りは今日採った月光の飴が甘くなる頃にまた来ると約束して、その場を後にした。
お題:「三日月」、「着物」、「飴売り」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
飴売りも、三回目くらいの登場です。ちょっとさかのぼってないんですが。
いい加減、気に入ったものだけでも一覧を作るべきかもしれませんね。
昨日の狐さんが好評です。
ありがとうございます(^^)。
このあと、お嬢とどういう関係になるのかなー、なんて考えたりすると楽しいですね。
参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村
PR
この記事にコメントする
← 140字の欠片、二つ HOME 神使の狐 →
HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
カウンター