宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【517】
畳に正座して、手を膝に置き、背筋を伸ばし、静かに庭に目を向けている。
彼の目には、おそらく爛漫の桜が見えているのであろう。
今は枯葉をつけているだけの桜の大木を、ただ静かに見据えている。
「・・・殿が切腹なされたとき、この庭には桜の花弁が降り注いでござった」
彼はゆっくりとそう呟いた。
「殿は・・・今年は奥方の桜餅が食えなんだ、とただそれだけおっしゃって・・・」
涙がはたりと膝に落ちた。
春、つらい別れをしたその侍を、見ている人間は居なかった。
ただ、襖に描かれた獣たちや、天井裏に潜む小鬼たちや、古き道具が見ているだけだった。
だから、侍は今までこらえていた涙を、やっと、思うまま流すことが出来たのだった。
お題: 「畳」、「桜餅」、「描く」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
秋なのに、お題に桜餅が出たので、どうしようかと思いましたさ(^^;)。
ブログ名、「猫又屋」も気に入っているのですが、犬神と妖狐に申し訳ないので、「桔梗堂」に戻しました。
今後ともよろしくお願いもうします。
あ、桔梗屋じゃないですよ?それじゃあ、一休さんの悪い商人になっちゃいますからね。
そうそう、このブログにいるあやかしたちがしゃべるツイッターボットなんてものがあるんですよ。
もしよろしければ、のぞいてやってくださいませ。
→【あやかしbot@桔梗堂】について
参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
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彼の目には、おそらく爛漫の桜が見えているのであろう。
今は枯葉をつけているだけの桜の大木を、ただ静かに見据えている。
「・・・殿が切腹なされたとき、この庭には桜の花弁が降り注いでござった」
彼はゆっくりとそう呟いた。
「殿は・・・今年は奥方の桜餅が食えなんだ、とただそれだけおっしゃって・・・」
涙がはたりと膝に落ちた。
春、つらい別れをしたその侍を、見ている人間は居なかった。
ただ、襖に描かれた獣たちや、天井裏に潜む小鬼たちや、古き道具が見ているだけだった。
だから、侍は今までこらえていた涙を、やっと、思うまま流すことが出来たのだった。
お題: 「畳」、「桜餅」、「描く」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
秋なのに、お題に桜餅が出たので、どうしようかと思いましたさ(^^;)。
ブログ名、「猫又屋」も気に入っているのですが、犬神と妖狐に申し訳ないので、「桔梗堂」に戻しました。
今後ともよろしくお願いもうします。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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