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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【623】

鏡のような月が、真っ白な光をたたえて空から僕を見下ろしている。
それはあまりに清浄で、見上げていると心の内がすべて見透かされるような居心地の悪さを感じてしまう。
それでも、その光は僕をとらえて離さない。
だから、きんと冷えた空気の中で、僕は飽きもせず白く光る満月を眺めた。
いっそ、その清らかな光で僕を焼き尽くしてもかまわない。
乞うように差し伸べた指先は、しかし、けっして月には届かない。
僕を裁きも救いもせず、ただ、無慈悲に見下ろし続けるだけなのだ。


お題:今夜の月があまりにきれいだったから。
月は無慈悲な夜の女王、という本の題名を思い出しました。


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オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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