宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【481】
剣客、などと偉そうな言葉はあっても、剣の道を歩むものは所詮人やものを斬るためにその技を修練する、人にあるまじきものであると、左京は時々思ったりする。
特に寺の境内や長屋で子供と遊んでやるときなど、その無邪気な笑顔に剣など何の役に立とうか、と思う気持ちを強くする。
それでも、天に与えられた才はこれしかないのだ。
せめて役に立つときには、有効に使わねばばちが当たるだろう。
その剣技のわりに剣を抜くのが嫌いな男は、ため息をついて、化け物屋敷と噂される廃屋に足を踏み入れた。
「おや、物騒な男が来たね」
逃げも隠れもせず、部屋の上座に悠々と座っているのは、色が白く、瞳が赤いあやかしであった。
髪を無造作に束ねる組紐の鮮やかな青が、やけにその銀色の髪に似合っている、と左京は刀に触れた右手を微動だにせず思った。
殺気はない。理性を感じる。
人に害をなさぬと約束し、斬らずに済むならそれが一番だが。
色の違う双眸が、互いの思惑を探ってぶつかった。
お題:「廃屋」、「組紐」、「剣客」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
以前、【476】で書いた左京を出してみたり。お題物なのでぜんぜん別の話の導入部っぽいですが。
本当はここから続きをかければなあと思っているのですが、なんとも書く暇がありません。
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剣客、などと偉そうな言葉はあっても、剣の道を歩むものは所詮人やものを斬るためにその技を修練する、人にあるまじきものであると、左京は時々思ったりする。
特に寺の境内や長屋で子供と遊んでやるときなど、その無邪気な笑顔に剣など何の役に立とうか、と思う気持ちを強くする。
それでも、天に与えられた才はこれしかないのだ。
せめて役に立つときには、有効に使わねばばちが当たるだろう。
その剣技のわりに剣を抜くのが嫌いな男は、ため息をついて、化け物屋敷と噂される廃屋に足を踏み入れた。
「おや、物騒な男が来たね」
逃げも隠れもせず、部屋の上座に悠々と座っているのは、色が白く、瞳が赤いあやかしであった。
髪を無造作に束ねる組紐の鮮やかな青が、やけにその銀色の髪に似合っている、と左京は刀に触れた右手を微動だにせず思った。
殺気はない。理性を感じる。
人に害をなさぬと約束し、斬らずに済むならそれが一番だが。
色の違う双眸が、互いの思惑を探ってぶつかった。
お題:「廃屋」、「組紐」、「剣客」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
以前、【476】で書いた左京を出してみたり。お題物なのでぜんぜん別の話の導入部っぽいですが。
本当はここから続きをかければなあと思っているのですが、なんとも書く暇がありません。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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