宵月楼－しょうげつろう－

【675】　病

畳に敷いた布団が冷えて、いつまでも温まらない。顔にあたる空気も冷えきっている。すべてが僕を凍りつかせようとする世界で、熱に浮かされた僕は熱いはずの体を震わせている。いっそ凍りついてしまえばなにも感じなくなるのかな。この苦しさも。寂しさも。泣けるほどの恋しさも。

【676】　嘘つき

僕は優しい嘘つきになりたい。
優しい嘘を上手について、今だけ君をすべての辛いことから遠ざけてあげる。
もちろんこんなのは朝日に解けちゃう魔法みたいなものだから、元気が出たら僕のことなんか忘れてね。
それで構わないよって笑うそれが僕の一番つきたい嘘なのかもしれないな。

【677】　君がいなくても

君がいなくても朝は来る。君がいなくてもお腹はすく。君がいなくても僕は笑ってる。君がいなくてもきっとこんな風に毎日は過ぎていく。でも僕の中でずっと泣いている子供がいるんだ。君が見えなくて寂しくて泣いている子供が。僕はその子を閉じ込めて、今日も日常を過ごしている。

【678】　春の先駆け

隠してるつもりだった君への想い。だけどいつしか梅の香のようにふわりと心から溢れ出して、気づけば君に届いてる。僕の春は、そうして振り向いた君で始まる。


ちょっとたまってきたので、Twitter Novel　4編。
寒いと切ない系の文章が似合っちゃって、寂しい文章ばっかりに（＾＾；）。
春が待ち遠しいですねえ。
あ、こたつとかイメージすればいいのかｗｗｗ


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