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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【1052】 本望

「君の夢見て死ねるなら本望ですがね」
封印を施されかけていながら、鬼はまだふざけた口をきいている。
思えば初対面で封殺師の自分を口説いたのだった、と少し眉をひそめると、鬼は甘い笑みを浮かべた。
「どうせなら一緒の道行きなんてどうです?」

書き出しをお借りして。


【1053】 氷の瞳

毛羽毛現の桔梗が、紅の格子の中で三味線を爪弾いている。
客は引かない。色目も使わぬ。
氷のような瞳には花街の賑わいも映ってはいないようで、それが逆に男を引き付けるという。
だがまだ若い十兵衛親分には、その色香よりもあやかしの女の寂しさが目を引いた。

お題:今日のお題 「氷」 「三味線」 「親分」  http://t.co/AMef1Qc2


【1054】 月の鏡

その鏡には、月の魔力が封じられている。
あやかしに向ければ正体を映し、人に向ければその内に封じるという。
「その魔鏡が何でここにあるんです?」
「だって、普通の鏡じゃ割れてしまうのだもの」
その妖力が強すぎる主は、鏡を覗いて満足げに薬指で紅をひいた。


【1055】 風邪

「あーあ、熱があるねえ」
猫又の翡翠は少女の額に当てていた手を外すと苦笑した。
人間は簡単に病気になったり怪我をしたりする。
ついうっかりしていた。
「ごめんね。夜中に連れ出しちゃったから」
ひんやりした手を頬にあてる。
「そばにいるから安心しておやすみ」

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 「あーあ、熱があるねえ」 】 http://t.co/a8HWCWxj


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秘めし星の勾玉/戦嫌い/背の傷 HOME 僕の心/忠誠/ゲーム/精一杯

HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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