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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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名前を「宵月楼」に変えました。
以前から使いたいと思っていた名前です。
あやかしたちが遊びにくるにはちょうどいい薄闇感じゃないかな、と思ったりしています。
今後ともよろしくお願いします。


【848】 春の雨

雨が降る。雨師が空を飛んでいる。微笑んで緑になり始めた地面や山々を見つめる。「気持ちいいかや?この時期は皆芽を出さねばならぬでの。たっぷり蓄えて元気な芽を出すがいいぞ」そういえば今日の雨は少し優しい。きっと明日は濡れた若芽がつやつやと光って元気に伸びるのだろう。


【849】 天邪鬼

「一緒に行こうよ」そう言って差し出された手を、僕は馬鹿みたいに見つめた。「やだ」口から出るのは天邪鬼な一言で、驚いた君の顔を見たくなくて背を向ける。本当は手を繋いで一緒に行きたいくせに、いつだって僕の口や態度は僕を裏切るんだ。


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【844】 瓶の中

僕は気づいていなかったんだ。僕が居たのは透明な瓶の中だってことに。世界は目の前に広がっていたし、なにも遮るものはないように見えた。でも、君に向かって伸ばした手は、ガラスの壁に阻まれて。痛みと冷たい感触だけが指に残って、狭い世界の中で僕は孤独を思い知らされた。


【845】 わがまま

君には、君を好きな人も、君が悩んだら心底心配する人も、僕よりも優しい言葉を言える人も、仲間と呼べる人も、親友も、君の作り出すものが好きな人も、会って涙をぬぐってくれる人も居るんだから、僕なんて要らないんだよね。ごめん。寂しがってほしいなんてわがまま言って。


【846】 ありがとう

いつか君が忘れた頃に、別人のふりをして一言二言会話して、他人行儀にありがとうございますって、微笑みと一緒にそれだけ伝えて消えていきたい。たぶん、それは僕が君に伝え損ねた唯一の言葉だから。


【847】 風になる

いつのまにか僕が薄く薄く透明になって、君から見えなくなっても、僕を探さないで下さい。透明な僕はいつか風に溶け込んで、思考も痛みも涙も声も、すべてなかったことのように、ただきれいな花びらを君の元へ運ぶ風になって、君の笑顔を見ていたいと思います。


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【842】 黒猫

闇を切り取り、蛍火を嵌め込んで、黒猫を作った。
黒猫はゆっくりと伸びをすると、僕を見た。
「あんたは俺に何を期待しているんだ?猫が他人の思い通りになるはずもないのに」
そしてぽおんと屋根を越えて行ってしまった。
それでいい。
自由にどこかへ行って欲しかっただけなんだ。

自分の書き出し使用。

【843】 菜の花

菜の花の黄色が妙に目にしみた。
鮮やかな黄色はなかば横っ面をひっぱたく勢いで、冬にこもる僕を春の真ん中に放り出す。
そろそろいいだろう?
そう言われた気がして、僕は君を失った悲しみからやっと一歩踏み出した。

自分の書き出し使用。
リサイクル、リサイクル(^^;)


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【840】 ひばりとそら

「ぴよ」
「うんうん」
「ぴよぴよ」
「ほう」
「ぴぃ」
「なるほど」
深くうなずいて、ひばりはにっこり笑った。
「ありがと」
「ぴ!」
飛び去る小鳥を見送ると、勢いよく振り返る。
「そら、行こう」
だが、そらは寝転がったままひばりをにらんだ。
「鳥と話せるなんて嘘くせえ」

書き出しをお借りして。「なるほど」までお借りした書き出しです。可愛くて、使ってみたくなりました。
「ひばり」はそのまま雲雀のあやかし、「そら」は人間で、雲雀は空が好きなので、旅を助けるために押しかけ相棒になった、というようなイメージです。


【841】 一緒に

「君の部屋を花でいっぱいにしてあげる」って言ったら、「すぐ枯れちゃうからダメ」って言う。
「植木鉢で並べようか」って言ったら、「太陽が当たらないから可哀想」って首を振る。
だから僕は悩んだ末に右手を差し出した。
「この部屋を出て一緒に見に行こう」
君が嬉しげに頷いた。


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【834】 夢見月

花冷えに君が恋しい夢見月


【835】 夢見草

風が散らせる夢見草。巻かれて見るはどんな夢?


【836】 永遠

もし、もう一度だけ命が吹き込めるなら、今度はなくならないように術をかけなくちゃ。
僕は君そっくりの人形をソファに座らせてその髪を撫でた。
君の魂がここから出られないように、厳重に封じてあげる。
もう二度と僕を置いて死ぬなんて許さない。
永遠に君は僕の物だ。

書き出しをお借りして。「ヤンデレ」っていうんですか?w


【837】 孤独

屋根の上にしゃがみこんで、両手をばあっと広げて、ああ、この中に君の温もりがあればなあなんて思ってたって君はここにはいないんだし、しかたないからそのまま後ろにころんと倒れて流れ星が全部僕に刺さっちゃえばいいんだとか思いながら、細い月に薄ら笑いされている今夜の僕。

タグ(ツイッターの分類わけするための記号のようなもの)を入れて、ツイッターひとことの限界140字ぴったりで収めてみました。
こうやってずらずらっと書くのは結構好きです。


【838】 きっかけ

いつも行く喫茶店に常連のサラリーマンがいる。
三十代くらいでそこそこの外見。
役者張りの二枚目ってわけじゃないけど声だけはすごくいい響き。
それが聞きたくて通っていたら、今日に限って隣に座られた。
「名前を訊いてもいい?」
しゅるり、緩めるネクタイに心臓が跳ねた。

締めの一文をお借りして。
おじさんご好評いただきました(^^)。


【839】

いつか僕がこの世からいなくなるときが来たら、最期に一度だけでも君に会いたい。でも消えていく僕を見せたら嫌な思いをするだろうから、結局君を想いながら僕はそっと朽ちていくんだろう。でももしできることなら。遠くからでいい。君の笑顔を垣間見ながら、消えていきたい。


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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