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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【461】

さっきまで前も見えないほどの大雨だったのに、唐突にやんだかと思うと日が射して来た。
「雨師はどこいった?」
「もう行ってしもうた」
風伯は心なしか元気がない。
「・・・仕方ねえな。俺が遊んでやるから」
「本当か!」
途端に吹く突風に、俺は少しだけ前言を撤回したくなった。

【462】

関所を越えれば紀州だった。
南に下るにつれて雨が多くなり閉口したが、今日はきれいに晴れている。
山には蜜柑が鈴なりで、小さな太陽がたくさんあるような微笑ましい気持ちになる。
絵師は紙と筆を取り出すと、おもむろにその場に座り込んだ。
この景色を描かずにはいられなかった。

お題:「関所」、「蜜柑」、「絵師」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578

【463】

僕は道化師。
夜のグラウンドで一人泣いていた君の前に現れて、手品を見せる。
君を笑顔にするために、僕は精一杯おどけて見せる。
でもね、もしも君が信じてくれるなら、手品じゃなくて魔法を使えるんだよ。
僕の右手をとってくれたら、二度と君を泣かせない魔法を使ってあげるよ。

お題:「夜のグラウンド」で登場人物が「信じる」、「手品」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927

【464】

根付の兎が文机の上で見慣れぬものを見た。
夕焼けの色の丸いもの。
そばによって見てもよくわからない。
鼻でつつこうとしたら、犬神が苦笑してそれを持ち上げた。
首をかしげる兎の前に皮を剥いた夕焼けの欠片を置いてくれる。
兎はそれを食べてみた。
夕焼けはとろりと甘い味がした。

根付兎が食べたのは、なんでしょう。

【465】

「何故、人に混じって生きる。お前のその才は、人を狂わせる。期待と嫉妬がお前に重くのしかかる。その巨大な荷を何故自ら背負うのか」
神の声に、賢者は柔らかく笑んだ。
「他に術無しと思うからこそ縋るのでしょう。ならば私はその手を振りほどけない。私もまた、人なのですから」

お題:[巨大な,賢者,背負う,他に術無し]シリアスな感じでやってみよう!
http://shindanmaker.com/9025

【466】

「求めよ、されば与えられん」
屋上のフェンスにもたれてふざけたことを言うあいつを私はにらみつけた。
猫のように気まぐれで自由。
手を伸ばしてもちっとも心は捕まえさせてくれないくせに。
「もう一歩、足を踏み出してみなよ」
一歩踏み出す。
気がつけば、私があいつに捕まっていた。

お題:本日の身体部位は「足」、行動は「求める」、ほんわかした作品を創作しましょう。補助要素は「心」です。 http://shindanmaker.com/73897


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HN:
宵月楼 店主
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非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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