宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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腕の中で冷えていくあなたを引き留める方法を、ずっと考えていた。
動けないままあなたが僕の届かないところへ行こうとするのを見つめて、僕は一日を無駄にした。
やがて空になった頭に素敵な方法が思い浮かぶ。
僕があなたについていけばいいんだ。
そして僕らは永遠を手に入れた。
お題:僕は一日を無駄にした
【1124】 僕へ
遠くから眺めるだけの方がまだましだったかも知れない。
僕は今、君の隣で笑ってる。
君があいつを見るその視線を視界に入れないようにしながら。
君の恋を応援するふりをしながら。
だから今はこらえろ。
家に帰ったら頭からシャワーを浴びて、馬鹿みたいに泣かせてやるから。
歌をお題にいただいて。
【1125】 桃
駆け落ちをして、小屋のような粗末な家に暮らしはじめて半年。その人はまるで親戚でも訪れるようにふらりと現れた。「兄上!」妻の声に穏やかに笑ってその頭を幼子にするように撫で、懐紙を取り出して桃をころりと二つ置いた。「妹を頼む」この人はきっとそれだけ言いに来たのだ。
お題:今日のお題 「小屋」 「懐紙」 「桃」 http://t.co/ok4WXYjz
【1126】 鬼ごっこ
「もういいかい」
夕焼けの下で、君を探して僕は言う。
クスクス笑う君の声に振り返っても、そこには夕日に焼けた僕の影だけが長くのびて、誰もいない。
ねえ、どこに行っちゃったの?
僕はあの日からずっと君を見つけられずに、いつまでたっても鬼のままだよ。
歌をお題にいただいて。
【1127】 殺し屋
左手が殺し屋を始めた。
鮮やかな手つきで標的を葬り去る。
僕自身には迷惑をかけないと言わんばかりに、返り血も浴びず、証拠も残さず、ただ標的が死ぬ瞬間を見せられることだけが苦痛だったがそれも知らない人間ばかりですぐ慣れた。
でも、次の標的が君だったなんて。
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