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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【732】 桃の花

「梅姉さんはいい香りがするの。妹の桜は綺麗で皆があの子を見たがるわ。それに比べて私はちっとも目立たない」寂しげに呟く桃の花。そんな彼女にメジロはそっと嘴を寄せる。「君は十分可愛いよ。僕は君が好きだよ」桃の花は恥ずかしそうに微笑んで花弁を染めた。


【733】 桜鬼

桜鬼は舞いを舞う。山々に桜の花を呼ぶために、まだ寒い荒れ野で一人舞いを舞う。やがて、謡を聞きつけて獣や鳥が集いだし笛や太鼓を奏でると、山は目覚めて緑が芽吹く。桜の花が咲き乱れたら、春の宴をしようじゃないか。


【734】 枯れない花=枯れない気持ち

だいすきだよ。だけど恥ずかしくてとてもそんなこと言えないから、ホワイトデーは枯れない花を君に。それもなんだかきざったらしいと思ったのは渡してからで、でも君が花が咲くような笑みを見せてくれたから、まあいいか、って僕も笑った。


【735】 桜の如く

「桜の如くに潔く散るが武士の生き様だと?ふざけるな!腹の切り方なんぞ知らぬわ!」追い詰められた城の奥で、主は叫んだ。介錯を仰せつかった俺の刀を奪い取り、にやりと笑う。「皆には逃げよと伝えたな?」「はっ」「ならば死ぬ前に一泡吹かせてやろうぞ」


燃え盛る火の粉は桜の花吹雪にも似て、その中で刃を振るう主のその白刃の美しき軌跡に、我はただ、共にいられることを神に感謝した。


昨日はついのべデーでしたね。
お題が【花】ということで、大きかったのでいろいろな角度から遊んでみました。
楽しいですねw

昨日のついのべでは、「手」にぞーっとしていただけたようでw
そのひとつひとつが飲み込まれた人間だと思うと、自分でも気持ち悪ーって思います(^^;;;)。
ホラー系はさじ加減が難しいですね。


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オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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