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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【500】

 目の前に鋭い音をたてて矢が刺さる。
 犬神の瑠璃丸はぎりっと奥歯をかみ締めて足を止めた。
 山寺の門に立ちふさがり弓を構えているのは、ただの僧ではない。 「見る」目を持ち、おそらくは「祓う」力も持っている。その殺気はまっすぐに瑠璃丸に向いている。
「あやかしよ、次は外さん」
 次の矢をつがえ、ぎりぎりと引き絞る。
 だが、この門を抜けねば、中に捕らわれている仲間を助けることは出来ない。
 向けられた殺気に、あやかしの本性が血を求めてざわつく。
 それを奥歯をかみ締めて押し殺す。
「邪魔を・・・するな!」
 瑠璃丸は刀を抜くと、跳躍した。
 放たれた矢を紙一重でかわし、一瞬で間合いをつめると刀を振り下ろす。
 鈍い音がして、僧はゆっくりと地面に身を沈めた。
 騒ぎを聞きつけて他の人間がやってくる前に、瑠璃丸は物陰に身を潜める。本気で気配を消せばもうおいそれと見つかるものではない。
 瑠璃丸は静かに刀を鞘に戻した。
 刀には、血の一滴も付いてはいない。
 この刀は、あやかししか斬れぬ妖刀なのだ。

 
お題:「寺」、「弓」、「犬神」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
うちの犬神は無愛想で無口なわりには頼まれごとが多いようです。
今回は捕らわれ、祓われようとしているあやかしを助ける仕事な感じで。

短い文章を、つらつらと書きなぐって、もう500になりました。
小説にするわけでもなく、オチもなく、ジャンルも一定していない読みづらい文章におつきあいありがとうございます。
これからも、一枚のイラストを描くように、絵が思い浮かぶような場面を書いていきたいと思います。


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オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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