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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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更新サボってました(^^;)。
というか、PC立ち上げる気力がなくてですね・・・。
まあ、こっそり毎日あげたように偽装しておきますですwww


【334】

「今日も雨だね」
妹分の龍の娘は、雨が好きではない。
ひとえに外で遊べないからだが。
「凛音、これを」
俺は昨日買い求めた手鞠を差し出した。
色とりどりの糸で巻かれたそれをきゅっと抱き締める。
「これ綺麗すぎて、毬つきなんか出来ないよ」
言葉のわりには、嬉しそうに笑った。

お題:「雨」、「手毬」、「狼」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
狼は入りませんでした。毬をあげた瑠璃丸は犬神なので、まあ、50点w

【335】

夢の足跡ってきっと猫なんだと思う。
柔らかな肉球でつけられる、小さく気まぐれな足跡。
追いかけようと思っても、塀に上ったり、垣根を潜ったり、ぽんと跳ねたりして、なかなか辿れない。
やっと追い付いて尻尾を捕まえようとしたら、するりと手から抜け出して、また最初から。

お題:「夢の足跡」

【336】

おかしいな。
僕は途方にくれていた。
右も左も探したけど君が見つからない。
どこにいるの?
哀れっぽく泣いても君は居なくって。
道の端で震える僕に月が囁いた。
「ヒゲは、鼻は、耳はどうしたの?全身で探してごらん」
尻尾が震えた。
顔を上げて歩き出す。
やがて聞こえる君の声。

お題:「右も左も探したけど君が見つからない」

【337】


背を押してくれる人。
手を引いてくれる人。
笑ってくれる人。
怒ってくれる人。
見守ってくれる人。
そのお陰で今日も元気になれる。
両手一杯のありがとうを、みんなに。
そしていつか、みんなが疲れたときにはちょっとでも力になりたいよ。

お題:「ありがとう」

【338】

ひとつずつ、そこに居た痕跡を消していく。
不思議と心は凪いでいる。
泣き叫ぶこともなく、淡々と消すことのできる自分は「人でなし」なのだろう。
少しだけ、ほんの少しだけ自嘲して、時間と思い出の最後の欠片を消した。

【339】

気づいたら、君の瞳がすぐそこにあって。
僕と一瞬視線を絡ませた後、ゆっくりとまぶたが閉じて。
温かくて柔らかくて甘い何かを唇に感じて。
気づけば僕の腕は君を抱き寄せていた。
あっけなく、はじけとんだ理性。
もう、途中で止める自信はないよ。
後悔しないでね。

お題:はじけとんだ理性

【340】

夢を見た。
君が背中を向けていた。
僕には目もくれず前へ歩いていく。
僕の足には無数の手がしがみつき、一歩も動けない。
待って、と叫んだ声が届いたのか、君は少しだけ立ち止まった。
そして。
「過去は過去、未来は未来」
呪文のように呟いて、それきり僕から消え失せた。

お題:過去は過去、未来は未来

【341】

人間は百年の恋って言うけれど、僕にとってはそれすらうたかたの恋だと思う。
何百年の恋を僕はしているから。
いつまでも、何度でも、君に。

お題:百年の恋って言うけれど

【342】

嵐のような感情は、今はない。不思議なほど、とても凪いでいる。


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最近、身内が怪我や病気でばたばたしてまして、ちょっとした呟きは出来ても、ちゃんと考えて文章を練る余裕がない状態です。
ほんとは書きたいんですけどね。
だから、ちまちまと小さな設定を作って遊んでみようかな、と思います。
今回は侍を出してみました。


【330】

寺の門前に一人の侍が立っていた。
両足を踏みしめ、真っ向を見据え、すらりと刀を抜く。
やがてひやりとした風と共になにか禍々しいものが彼に襲いかかった。
ざん、と白光が一閃し、暫しの静寂のあと、重い音を立てて彼の足元に落ちたのは、両断された蜘蛛の化け物であった。

お題:「寺」、「懐紙」、「侍」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
たぶんこのあと懐紙で刀を拭いております(^^;
三題話ですが、入らない場合は今は無理にいれない事にしてみました。
疲れてるからめんどくさい、とも言うwww
侍、というと、うちでは犬神の瑠璃丸が侍寄りのキャラです。人間とあやかしの剣士を会わせたら、仲良くなるのか、反発するのか、楽しみなところです。


【331】

本当は僕のものにしたい。
方法はいくらでもある。
僕と共に永遠にうす闇の世界で生きる方法は。
でも、それは出来ない。
だって、君が人間として精一杯生きる、その眩しさに惚れたんだもの。
だから、君が何度旅立っても、僕は君を引き留めたりしないんだ。

お題:俺のものにしたい、でも、出来ない。

【332】

僕と出会わない君の人生を、僕はいつも奪っているのかもしれない。
人間と恋して、結ばれて、一緒に年を取る人生。
それを可能性すら奪う僕の独占欲は底が見えない。
それが怖くない、と言ったら嘘になるけど、それでも渇いた旅人が水を欲するように、僕は君に手を伸ばす。

お題:怖くない、と言ったら嘘になるけど

【333】

どうしても許せない。
初対面の僕の尻尾に、あいつ何をしたと思う?
なにも言わずにぱくっと噛みついたんだ!
犬神って鼻がいいんじゃないの?って言ったら、条件反射だ、って涼しい顔で言い返す。
僕らの初対面は最悪だった。

お題:どうしても許せない


ところで、忍者ブログの編集画面が非常に動きづらいです。
不具合が出まくって、こんな短い記事を書くのに一度フリーズしたという。
あまり改善されないなら、別のとこへブログ移さないとですね・・・orz



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【325】

十手を握って四つ辻まで来た十兵衛親分は、たたらを踏んで立ち止まった。
急に霧が立ち込め、妖しげな鈴の音が聞こえてきたかと思うと、目の前にふいと青白い炎が現れたのだ。
「虚仮威しもたいがいにしやがれ!」
怯まず、怒って怒鳴るあたりはさすがに怪異慣れしている。

お題:「四つ辻」、「十手」、「怒る」で創作しましょう。
http://shindanmaker.com/138578
十手といえば、以前書いた十兵衛親分かな。
こうやって、ちょこっとずつ設定を増やすように肉付けしていくのも楽しいです。
思いつきのキャラが成長していく感じです。


【326】

「赤ちゃんのほっぺみたい」
頬をぷにぷにしながら言うと、君はぷっとふくれた。
「柔らかくて気持ちいいって誉めてんだよ?」
「それを言うなら猫の肉球でしょ。ほら、出せ!」
仕方なく猫に戻った僕の肉球を触ってご満悦な君。
たわいもない、綿あめみたいにふわふわと甘い二人の時間。

お題:「わたあめ」「赤ちゃんのほっぺ」「猫の肉球」で創作しましょう。

なんだか書くものが上手くまとまらないし、疲れているからか暗めになるので、「ぽわぽわした話が書きたいー」と愚痴ったら、ツイッターのフォロワーさんがぽわぽわなお題をくださいました(^^)。
甘々は、自分では出来ない分、書くのは好きなようですwww


【327】

きゅっと抱き締める。
僕をふりあおぐ君がくすぐったそうに笑う。
君が笑うと僕も嬉しいから、僕も笑う。
時間が止まればいいと願うほど、幸せ。

お題:君が笑うと俺も嬉しいから

【328】

「願い事、ひとつあるの」
君が珍しく僕におねだり。
なにかなと思ったら、眠るまで手を握っていて欲しいだなんて。
やだなあ、君を笑ったわけじゃないよ。
なんだかそういうこと言ってもらえるのが嬉しくて、胸が暖かいんだ。
「おやすみ。いい夢を見てね」
怖い夢からは僕が守るよ。

お題:願い事、ひとつ

【329】

星に願いをかけたって、月に祈りを捧げたって、僕は人間にはなれないし、君は人間にしかなれない。
叶わない願いは叶わない。
だから、僕が空を見上げるのは別に願いをかけてるわけじゃないんだ。
ただ僕らを見守っていてくれたら嬉しいと、そう思ってるだけなんだ。

お題:「星に願いを、月に祈りを」


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【320】

滴る雫に誰もが息を飲んだ。
磨きあげた銀の煙管も、桜を散らした派手な着物も、そして見事なぬばたまの黒髪も濡れている。
商家の小僧が店先に撒いた水が誤ってかかったのは、この界隈では有名な泣く子も黙る大親分だった。
しかし苦笑を浮かべただけで、彼は何も言わずに去った。

お題:
「雫」、「煙管」、「桜」で創作しましょう。

http://shindanmaker.com/138578

【321】

新しいセミの脱け殻を見つけた。
もう夏も終わるこの時期に殻を脱いだセミが、どこかで声を張り上げる。
急いで恋をしないと。
そんな台詞が聞こえてきそう。
短い命を精一杯燃やすような鳴き声に、「うるさい」なんて言えなくなった。

朝、庭で新しい抜け殻を見つけて「え?こんな時期に?」っておもったので。
もう少しで夏も終わるよ。頑張れ、頑張れ。



【322】

ふと目を覚ませば、しらじらと明けていく夜。
隣には暖かな君。
目を閉じれば感じる甘い香りに、心がゆるみ、眠気を誘われる。
もう少し、大丈夫だね。
幸せにため息をついて、僕はもう一度眠った。

お題:「しらじらと明けていく夜」

【323】

ためらったのは事実。
猫又が人間を愛するなんて、バカなことだと言われたし。
正直、ほんの何十年かでいなくなることを考えれば怖くない、といったら嘘になるけど、でももう気持ちは止まらないんだ。
だから、ごめんね?
僕は君が好きだ。
もう、その気持ちに嘘はつけないよ。

お題:「怖くない、と言ったら嘘になるけど」

【324】

きっと僕、君を好きになるよ。
なんだかそんな気がする。
だって、ほら、もう一時も君から目を離せないんだ。
だから、ねえ、心の準備はいいかい?
僕と最高の恋をする準備、できた?

お題:「準備はいいかい?」


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ちょっと私事で忙しくて、ついのべる余力がありませんでした。
「毎日」を維持するので精一杯でした。


【316】

朝顔がうねうねと伸びて壁を覆うのその旅籠は、化け物が出ると噂されている。
しゃらしゃらと涼やかな音をたてるかんざしをさした女将は、その噂を聞く度に面白そうに目を煌めかせる。
「そりゃ出ますわねえ」
妖艶に笑うと、りいんと鈴の音が聞こえた。
女将は鈴彦姫。鈴のあやかし。

お題:
「旅籠」、「かんざし」、「朝顔」で創作しましょう。

http://shindanmaker.com/138578
鈴彦姫は鈴のつくもがみ(物が時間を経て魂を持ったあやかし)です。
なんとなく、人に近い印象でお上なんぞになってもらいましたが、硯のあやかしとかでも良かったですかね。
でも、硯は男っぽい印象なんですよね。


【317】

お酒を飲ませたら、君が豹変した。
頬を染めて、上目使いで僕を見て、くたりと体を猫のように預けて来て、ほんわり笑う。
うわあ、どうしよう。
可愛くてどきどきするじゃない。
えーっと、こういうの何て言うんだっけ?
そうだ。
【可愛いにも程がある】!

お題:「可愛いにも程がある」

【318】

溺れれば止められない。
どこまでも深みにはまり、抜け出せずもがいてもどうしようもない。
それはまるで蜘蛛の巣に絡めとられた蝶のよう。
人との関わりをそう評した者が居た。
大丈夫。
その覚悟はできている。
僕はそれでも君を欲する。

お題:「覚悟は出来ている」

【319】

それを口にするのは、たやすいことじゃない。
認めたくなくてずっと避けていたけど、弱る君を見れば、もう向き合わざるをえない。
「君のそばに居ること自体が、罪、かもしれないね」
僕があやかしだから、ね。
でも君は僕の言葉を笑い飛ばす。
「馬鹿ね。人間には老衰ってのがあるのよ」

お題:「罪、かもしれない」


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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