宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【860】 奇跡
世界の果てを探しに行こう。そう言って差し出された手を僕は見つめた。ここが世界の果てだろう?閉ざされた世界。変わらぬ風景。いつまでも死なない僕ら。結界は壊れない。だけど君があんまり楽しそうに誘うから、僕は思わず君を信じて。その気持ちが奇跡を起こした。
書き出しをお借りして。
【861】 逢瀬
三日月の君は野に降りたって、草の原を眺めて苦笑した。元気な雀の少女はやはり昼間でないと会えぬらしい。今夜の月は残月ゆえ、朝までいられるだろう。彼女は早起きするだろうか。いつか彼女が目を輝かせて聞きたいと言った鼓を脇に置き、三日月の君は朝まで待つことにした。
お題:「三日月」、「鼓」、「雀」で創作しましょう。 #jidaiodai http://t.co/n6fdRVKJ
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世界の果てを探しに行こう。そう言って差し出された手を僕は見つめた。ここが世界の果てだろう?閉ざされた世界。変わらぬ風景。いつまでも死なない僕ら。結界は壊れない。だけど君があんまり楽しそうに誘うから、僕は思わず君を信じて。その気持ちが奇跡を起こした。
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【861】 逢瀬
三日月の君は野に降りたって、草の原を眺めて苦笑した。元気な雀の少女はやはり昼間でないと会えぬらしい。今夜の月は残月ゆえ、朝までいられるだろう。彼女は早起きするだろうか。いつか彼女が目を輝かせて聞きたいと言った鼓を脇に置き、三日月の君は朝まで待つことにした。
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【858】 必要な言葉
一緒に行こうよって言えたらどんなに良かっただろう。でも僕は僕の道を、君は君の道を行くのが幸せだってわかっていたから僕はそう言わなかった。一言「待っててもいい?」って言ったら君は嬉しそうに頷いてくれて、だから僕はこの先も生きていける。人の君を待つあやかしとして。
お題:今日の書き出し/締めの一文 【 一緒に行こうよ 】 http://po.st/xX5xh2
【859】 紅茶
美味しい紅茶がありますよ。いつもそう言って出される紅茶は、おいしくて心が和む。それが私の体調や気分も考えて出し方を変えていると気付いたのは最近のこと。「手間じゃない?」そう聞くと、柔らかな笑みが少し深くなったように見えた。「自分の仕事に誇りを持っていますから」
お題:今日の書き出し/締めの一文 【 美味しい紅茶がありますよ 】 http://shindanmaker.com/219046
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【859】 紅茶
美味しい紅茶がありますよ。いつもそう言って出される紅茶は、おいしくて心が和む。それが私の体調や気分も考えて出し方を変えていると気付いたのは最近のこと。「手間じゃない?」そう聞くと、柔らかな笑みが少し深くなったように見えた。「自分の仕事に誇りを持っていますから」
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【856】 恋情
恐ろしいのは、あなたではない。そう言って、姫巫女は我の手を取った。その言葉通り手に震えはなく温かい感触に我知らず手を重ねていた。彼女は呟く。恐ろしいのは鬼のあなたに惹かれてゆく私の心。ならばそなたをさらっていこう。否やは言わさぬ。姫巫女はただ頷いた。
書き出しをお借りして。
【857】 部品
歩くための足は捨てました。触れるための手も捨てました。見つめるための目も、声を聞くための耳も、気持ちを伝えるための声も。君に関わろうとする体の部品を外していったら、僕にはなにも残りませんでした。最後に君を求める心が、剥き出しで転がっていきました。
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【857】 部品
歩くための足は捨てました。触れるための手も捨てました。見つめるための目も、声を聞くための耳も、気持ちを伝えるための声も。君に関わろうとする体の部品を外していったら、僕にはなにも残りませんでした。最後に君を求める心が、剥き出しで転がっていきました。
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【852】 宵月楼
猫が爪で引っ掻いたような細い月が夜空に引っ掛かっている。よく見ればそれはいつもより赤く禍々しさを漂わせている。うっすらと霧が流れたらそれはあやかしの領域が混じりこんだ合図。昼間は穏やかな空気に満ちていた建物が、妖しい鬼火に照らされてあやかし相手の商売を始める。
うちのイメージ。
【853】 封ヲ解ク
今、口を開くと、君を傷つける言葉を際限無く吐いてしまいそう。目を伏せ、引き結んだ唇にちょん、となにかが当たる。ふわりと甘い香り。驚いて目を開けると、君が僕の唇に棒付きの飴を当てて笑ってる。「苦い言葉は消えちゃうよ?」君には敵わない。僕はパクリとそれをくわえた。
【854】 紅い部屋
紅い部屋。それが僕の知る唯一の風景。僕は生まれたときからずっとここに居て、そして、君が流した血に部屋がさらに赤く染まるのを見つめ続ける。僕にできることはない。君はここに僕を閉じ込めてしまったから。だから今日も声だけがむなしく響く。「やめてよ!僕!」
書き出しをお借りして。
【855】 間際
おはよう、そしておやすみ。それが聞こえた唯一の言葉。避ける間もなく刺し貫かれる体。白刃を染める深紅。そして、目の前に君の笑顔。でも。「泣かせて、ご・・・め・・・」君の頬を一筋だけ伝い落ちた涙をぬぐいたいのに、もう手が上がらないよ。
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猫が爪で引っ掻いたような細い月が夜空に引っ掛かっている。よく見ればそれはいつもより赤く禍々しさを漂わせている。うっすらと霧が流れたらそれはあやかしの領域が混じりこんだ合図。昼間は穏やかな空気に満ちていた建物が、妖しい鬼火に照らされてあやかし相手の商売を始める。
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今、口を開くと、君を傷つける言葉を際限無く吐いてしまいそう。目を伏せ、引き結んだ唇にちょん、となにかが当たる。ふわりと甘い香り。驚いて目を開けると、君が僕の唇に棒付きの飴を当てて笑ってる。「苦い言葉は消えちゃうよ?」君には敵わない。僕はパクリとそれをくわえた。
【854】 紅い部屋
紅い部屋。それが僕の知る唯一の風景。僕は生まれたときからずっとここに居て、そして、君が流した血に部屋がさらに赤く染まるのを見つめ続ける。僕にできることはない。君はここに僕を閉じ込めてしまったから。だから今日も声だけがむなしく響く。「やめてよ!僕!」
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【855】 間際
おはよう、そしておやすみ。それが聞こえた唯一の言葉。避ける間もなく刺し貫かれる体。白刃を染める深紅。そして、目の前に君の笑顔。でも。「泣かせて、ご・・・め・・・」君の頬を一筋だけ伝い落ちた涙をぬぐいたいのに、もう手が上がらないよ。
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【850】 空から
春の淡い青に染まった空は、霞のような柔らかい雲や、あたたかい風や、桜の花びらなんかを連れて来てくれる。こうやって見上げてたら、何かいいことが降ってくるかもしれないよ。いつもそんなことを言ってる僕をからかうように空から飴が降って来て、見上げたら三階の窓に君の笑顔。
【851】 眠り猫
春眠暁を覚えず。いつまでも寝ていたら、布団が重くなってきた。仕方なく布団から這い出すと、今度は部屋が大きく見える。いつのまにか外は暗く、鏡のように部屋を映し出す窓には小さな猫が映っていた。首を傾げるとそいつも傾げる。どうやら寝すぎて僕は眠り猫病になったらしい。
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春眠暁を覚えず。いつまでも寝ていたら、布団が重くなってきた。仕方なく布団から這い出すと、今度は部屋が大きく見える。いつのまにか外は暗く、鏡のように部屋を映し出す窓には小さな猫が映っていた。首を傾げるとそいつも傾げる。どうやら寝すぎて僕は眠り猫病になったらしい。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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