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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【1021】 煌月の周(あまね)

「主殿。煌月の周にて、今宵は忘年の宴を設けております」霊峰煌凰山の主殿はふわりと笑って頷いた。「早いな。もう年も暮れ行くか」すでに薄暗い空に大きく明るい月がかかっている。「来年もよろしく頼む」「承知」月の似合う主殿の笑みに、私は深く頭を垂れた。

設定:霊峰煌凰山から見る月が、年の暮れ頃になると特に大きく、強く輝いて見えることを表した言葉。目に入る光は強くなるのに、辺りは暗いままというのが不思議なところである。

設定者:くすてんさん


【1022】 誘う歌声

耳を澄ませると、いつも聞こえてくる旋律がある。
誰にも聞こえないその音楽は僕を深い森へ誘い、そして僕は歌う彼女に出会う。
「私のために死んでくれる?」
微笑む彼女の為に僕は湖に身を投げる。
たった一度のくちづけに、満ち足りた気持ちのまま。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 耳を澄ませると、いつも聞こえてくる旋律がある 】 http://t.co/a8HWCWxj


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【1020】

「やだ」
ふくれた凛音は瑠璃丸に背を向けた。
「何言ったの」
こそっと聞く翡翠に瑠璃丸は眉をひそめた。
「母の日に俺に贈り物をしてくれたのだから、父の日には琥珀になにかやらぬのか、と聞いたのだ」
翡翠はそれを聞いて深々とため息をついた。
「そりゃ、へそを曲げるよ」
「なぜだ?」
「幼い姿から成長してないように見えてもね、女の子には色々あるんだよ」
意味深に笑って、翡翠は「あとは任せなよ」と瑠璃丸の肩を叩いて凛音のそばにしゃがみこんだ。
瑠璃丸は、訳がわからないながらもその方がよいということはわかったので、そっとその場を立ち去ることにした。
適材適所、というやつである。
もっとも、夜が更けたら翡翠を問いただそう、そう心に決めてはいたが。


父の日を上げ忘れていたので、遅ればせながらアップ。
父の日がいつからあるとか、これがいつの時代とかはつっこまない方向でお願いします(^^;;;)。


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【1019】 忍ばずの幻灯(げんとう)

「さあ、これを御覧なさい」
小間物売りは背負った荷から出した行灯の中の蝋燭に火を灯した。
そっと覆いをすればそこに柔らかく光が映る。
やがてそれは見慣れたあの人の面影に変わってゆく。
「幻の中でしか、もはやあなたは生きられないのですね」
声が遠く響いた。

設定:火を灯すと相手にとって心地のいい幻覚を見せる。
設定者:神威 鴉魔さん


勝手な単語や名前に設定をつけてもらう、という遊びより。
その設定を生かしてどう文章をつけるか、というところまでやっているのでなかなか頭を使います(^^;)。
うまく生かせていればいいのですが。
そして、面白がってたくさん作るもんだから、文章にしてない設定がたまる一方www


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【1017】 燕飛ぶ

燕は今日も花街を気ままに飛んでいる。昼ののんびりとしたこの町は騒がしくなくて飛びやすい。「寄ってお行きよ」顔馴染みの姐さんに声をかけられても、ひらりと宙返りして飛び去ってしまう。寄る軒先はあいつの場所と決めているのだ。

お題:鳥


【1018】 夜の彼女、昼の彼女

「時間切れね」
哀しげに微笑んで彼女は俺を見た。
朝日をいくら防いでも、朝が来ると無情な術は作動する。
彼女の体がほのかに光り、縮んでいく。
小さく、小さく。
そして。
「おはようー」
幼くなった彼女が目を開けて、無邪気に僕に笑いかけた。

お題:朝


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ツイッター企画【想像してごらん】参加作

【1015】

止まった時と死を受け入れぬ体。動かない雲と太陽のない青空。朽ちない花だけが敷き詰められた花園。痛みも苦しみも飢えもない世界。それは君一人のためだけの楽園。君を僕だけのものにするための永遠という名の鳥籠。

【1016】

楽園など、幻想。それは砂漠の揺らめく蜃気楼。追い求めても追いつけないノスタルジー。欲しければ想像してごらん。それだけで君の楽園が手に入る。ただし、それに溺れて戻ってこられなくならぬよう、ご用心を。


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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