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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【冬色】
柊の緑。とげとげで、つやつやで、人を傷つけるくせに見て欲しい。本当はあの子を守りたいのに、言えないでまたとげとげしている。大丈夫。君のとげはきっとあの子を守るよ。君のあせない緑はきっとあの子に優しさを伝えるよ。

雪の白。でも僕の雪は不純物が多くて、君のように真っ白にはなれないんだ。いっそなにか別の色で染めてしまおうか、と思ってもそんな勇気もなくて、結局薄汚れたまま溶けてゆく雪の塊。

空の蒼。春よりも人を拒み、夏よりも淡く煙り、秋よりも低く地を包む。薄くはった氷のように、軽い音を立てて砕けてしまいそうな蒼穹。

目をひくは赤。雪被る椿。見つめられ染まる頬を冷気のせいと言い訳する少女。

【この書き出し/締め/一文いかがですか】
かわいそうなその娘はただ時を待つしかなかった

今朝起きたら翼が生えていたのです

「びりびりくるから近寄らにゃいで!」

「お試し」は消してしまいました。すいません。
この、枠線を入れる方法を覚えるためにアップしただけだったので。新しいことを覚えるのは(それがたいしたことじゃなくても)なかなか大変ですw


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【冬の日】

「今年は寒くなるのが早いな」
呟くと息が白くなる。
冷たい空気を吸い込めば胸がツンとする感覚。
冬が来た。
そう思った時、ドアがノックされた。
開けたドアの向こう側には、君が立っていた。
「ただいま」
「おかえり」
雪ん子の君を溶かさないように、そっと抱き締めた。


お題【冬の日】をいただいて。


【おやすみ】

「今夜は特別静かで深い夜だね」
そう言ったのは椿鬼。
これから枯れゆくこの季節、起きている花鬼は多くない。
黒髪に一輪咲いた椿の赤が夜の中でぼんやりと灯る。
「君が寝るにはいい夜だ」
金木犀鬼が頷いて目を閉じた。
「おやすみ」
そして椿は一人きりで冬を迎える。


【赤き月】

《ストロベリームーン》と書いてあったラベルを引き剥がし、小さな瓶の中に入っていたトロリとした赤い液体を一気に飲み干す。
体を駆け巡るそれは、僕の中に眠っていたあやかしを目覚めさせた。
君の為なら化け物になっても構わない。
呟く僕を赤い月が嘲笑った。

書き出しをお借りして。


【本のあやかし】

僕が住むのは廃れた神社。
神などとっくに失われ、新たな主もいないまま忘れ去られて百余年。
時間を忘れたようなこの場所で文章を書いたり読んだりするのが当たり前になり、たぶん四つ足で尻尾が太い獣だった僕は、もう文章を食べるあやかしと化してしまった。
まあそれも悪くない。

勝手に設定を考える、という遊びで、「文学青年、イケメンでイケボ。生息地は廃れた神社。狗なのか狐なのかイマイチ正体が判らない。読むのも書くのも好き、たまに食べる」という設定をいただいたので。


【ノーム】

「今朝はノーム注意報が出てるよ」
「まじで?俺、車なんだよね。あぶねえかなあ」
「車に乗ってたら大丈夫じゃない?」
「でも視界悪いし」
「背が低いから視界は悪くないと思うよ?」
「え?」
「冬ごもりの準備でノームが地上に出てくるって。連れ帰られないように気をつけてね」


濃霧の日にw


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ジャンル雑多なついのべを五つ。


季節が移り変わる度に、僕は君が知らない僕になっていく。
いつか君の知っている僕はすっかり埋もれてしまって、全然ちがう僕になってしまうんだろう。
消えてしまう訳じゃないけど、深いところに隠れてしまった僕は、もう探ったって見当たりはしないんだ。


カミサマのいる右目を持つ少年が恋をした。
カミサマは少年の恋を成就させようとする。
だが少年の恋の相手はカミサマを否定する少女。
少年はカミサマを追い出した。
それが少女の左目にいるアクマの策略とも気付かずに。
そしてまた、行き場をなくしたカミサマが消える。


ストロベリームーンに祈ったら、苺みたいな甘酸っぱいそわそわが、君の心を支配する。
僕と紅い月の下、でたらめなダンスを踊りませんか?
月が沈んだら夜に紛れて、はじめてのキスをしませんか?


走馬灯は見損ねたな。
俺は抜けるような青空を見上げた。
いつだって、紙一重で生き残る。
さしたる手柄もないくせに、死に損なう。
だが。
「生きているか!?」
顔を覗き込む幼馴染みに笑って見せると、奴は嬉し涙を流した。
生きていてもいいと、許された気がした。


はい、あげる。
手渡されたのは、小さな光る小瓶。
中にはなにやらふわふわとしたものが浮いているように見える。
それは人の心を喰うの。特に大好物なのは・・・。
彼女の声は頭の中を素通りして、僕の中には残らない。
それでもわかってしまった。
これに喰わせるのは君への恋心だね?


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深い夜に飲み込まれたら、僕の名前を三回唱えて。
烏瓜の提灯頼りに、きっと君を見つけ出すから。
でも気をつけて。
誰かが手を差し出しても、それを握っちゃいけないよ。
あっちの世界に繋がれた途端、君は全部忘れてしまう。
二度と帰って来られなくなるよ。


北風小僧が秋の森。
みんなに囲まれしょげている。
「まだ早い」
「紅葉もしていないのに」
「あまり早く来ちゃ秋の実りが減るんだよ」
涙を浮かべた北風小僧を竜田の姫が抱き上げた。
「一月くらいがなんであろう。我が抱き止めてみせようぞ」
涙をすくって笑みかけた。


黒い羽をもらった子供は烏天狗になるのです。
もちろん修行は大変で、親とも兄弟とも会えなくなりますが、人であるより長い命と村や山を守るだけの妖力を身に付けることはとても幸せなのだと大人たちは言います。
でも。
「僕はあの子と一緒に大人になりたかった」


「菓子をくれねば悪戯してやるとな?西洋の祭りはなかなかに脅迫じみておるの」
座敷童はテレビを見つめて感心したように呟いた。
「脅迫って。菓子もらうための合言葉だろう?」
俺が言うと、にやりと笑みが返ってくる。
「馬鹿じゃの。悪戯が目的に決まっておるではないか」


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 神様が出雲から帰ってきた。
 右と左の狐たちは、社で両手をついて頭を下げる。
「おかえりなさいませ」
 余計なことは言うなよと左の狐に釘を刺された右の狐は、頑張っておとなしくしていたが、神様はお見通し。
 二匹を抱き上げると笑いかけた。
「ゆうべは寝ておらぬのだろう?お疲れ様」
 ゆうべの騒ぎが嘘のように清められた社で、神様は二匹を抱き締めた。
「お前たちが使いであることを自慢に思うよ。さ、少しおやすみ」
 神様がぽわぽわと綿雲を出すと、二匹の狐はそこでくるりと丸くなる。
「起きたら土産をあげような」
すぐにぐっすり眠った二匹の頭を、神様は優しく撫でた。


ハロウィンが神社に影響があるかどうかはともかくwww
神様もお帰りで、神使の狐たちも一安心です。

ハロウィン、いつから浸透しだしたんだったっけ。
最近ですよね。
楽しければいろいろ取り込む日本文化、結構好きです(^^)


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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