宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
[42] [41] [40] [39] [38] [37] [36] [35] [34] [32] [31]
お題:
「絶滅危惧種」「未来」「アカシックレコード」に関わる、「一人称視点」のSSを5ツイート以内で書きなさい。
http://shindanmaker.com/15896
というのに挑戦してみました。
ツイート制限+各ツイートにハッシュタグを入れると、結構、文字数が減りますね。
こういう制限で頭を悩ませるのも、いい頭の運動になる気がします(^^)。
しかし、やはり、文字数に振り回されたので、追記してUPします。
本文は【Open?】で開きます。
「絶滅危惧種」「未来」「アカシックレコード」に関わる、「一人称視点」のSSを5ツイート以内で書きなさい。
http://shindanmaker.com/15896
というのに挑戦してみました。
ツイート制限+各ツイートにハッシュタグを入れると、結構、文字数が減りますね。
こういう制限で頭を悩ませるのも、いい頭の運動になる気がします(^^)。
しかし、やはり、文字数に振り回されたので、追記してUPします。
本文は【Open?】で開きます。
アカシックレコード(結局、僕らの存在意義)
「アカシックレコードには、あやかしのことも書いてあるのかなあ」
昼下がり、人のにぎわうハンバーガー屋で、コーラのストローを行儀悪くくわえたまま僕が言うと、目の前に座っていた二人が不思議そうな顔をしてこっちを見た。
「いきなり何を言い出すんだ」
瑠璃丸が相変わらず無表情のまま、だけど、 若干冷たい視線でそう言う。
琥珀はもっとひどい。
顔にでかでかと、馬鹿じゃねえか、と書いてある。
「どうした?急に暑くなったんで、頭が沸いたか?」
言うこともさらに失礼だ。
「人のこと言えるの?琥珀はアカシックレコードなんて知らないっしょ?」
「馬鹿にすんな。無駄に長く生きちゃいねえよ。あれだろ?この世に起こることは全部書かれているっつう」
僕は思わず琥珀を凝視した。驚いたことに大体合ってる。
ほんと、「亀の甲より年の功」ってこういうことを言うんだな。
「思ったんだけどさ、もしあったとしても、結局、人間のことしか書いてないんじゃないかなーって」
「・・・今度の彼女は司書だったな」
「・・・何が言いたいのさ」
「引っかかったなら、自分の胸に聞け」
「へりくつ犬」
「馬鹿猫」
余計なことを言う瑠璃丸とにらみ合う。
ほんとこの犬神は、口数が少ない癖にいらないことばっかり言うんだから。
琥珀は、険悪な僕たちの雰囲気を面白がっているのか、細い目をさらに細めてにやにやしていた。
琥珀は妖狐。僕は猫又。瑠璃丸は犬神。
この人ごみで、僕らが人間じゃないなんて気付く人間なんかいやしない。それほどに、この世の中は人間で溢れ、あやかしは忘れ去られていく。
だからって、人間の考え出した概念の上で僕らのことはどういう風に扱われているんだろう、なんて考えてしまったのは、ちょっとだけ、長く生き過ぎたせいかもしれない。
先もわからず、長く、長く。
「たとえ絶滅危惧種だって、いきなり絶滅するわけじゃねえんだし」
琥珀がにらみ合う僕たちの頭をがしがしとかき回して、飄々と言った。
「未来がどうなろうと、関係ねえじゃねえか。俺たちは消えるまで生きるだけだろう?あいつを守ってな」
視線の先には、僕らを待たせていた龍の娘。
出会い、守ることを誓い、僕らに生きる目的をくれた少女は、僕らを見て顔を輝かせ店に走り込んでくる。
その明るい微笑みに、なんだか気持ちが軽くなった。
そうだね。
僕らは僕らの生を生きるので精一杯だし、未来が決まっているなんてあまり楽しくない考え方だし。
だから、まあいいか。
心の中で呟いて、少し曇った気分はコーラと一緒に飲み干してしまった。
-終-
参加してます。もしよろしければ、クリックお願いします。

にほんブログ村
「アカシックレコードには、あやかしのことも書いてあるのかなあ」
昼下がり、人のにぎわうハンバーガー屋で、コーラのストローを行儀悪くくわえたまま僕が言うと、目の前に座っていた二人が不思議そうな顔をしてこっちを見た。
「いきなり何を言い出すんだ」
瑠璃丸が相変わらず無表情のまま、だけど、 若干冷たい視線でそう言う。
琥珀はもっとひどい。
顔にでかでかと、馬鹿じゃねえか、と書いてある。
「どうした?急に暑くなったんで、頭が沸いたか?」
言うこともさらに失礼だ。
「人のこと言えるの?琥珀はアカシックレコードなんて知らないっしょ?」
「馬鹿にすんな。無駄に長く生きちゃいねえよ。あれだろ?この世に起こることは全部書かれているっつう」
僕は思わず琥珀を凝視した。驚いたことに大体合ってる。
ほんと、「亀の甲より年の功」ってこういうことを言うんだな。
「思ったんだけどさ、もしあったとしても、結局、人間のことしか書いてないんじゃないかなーって」
「・・・今度の彼女は司書だったな」
「・・・何が言いたいのさ」
「引っかかったなら、自分の胸に聞け」
「へりくつ犬」
「馬鹿猫」
余計なことを言う瑠璃丸とにらみ合う。
ほんとこの犬神は、口数が少ない癖にいらないことばっかり言うんだから。
琥珀は、険悪な僕たちの雰囲気を面白がっているのか、細い目をさらに細めてにやにやしていた。
琥珀は妖狐。僕は猫又。瑠璃丸は犬神。
この人ごみで、僕らが人間じゃないなんて気付く人間なんかいやしない。それほどに、この世の中は人間で溢れ、あやかしは忘れ去られていく。
だからって、人間の考え出した概念の上で僕らのことはどういう風に扱われているんだろう、なんて考えてしまったのは、ちょっとだけ、長く生き過ぎたせいかもしれない。
先もわからず、長く、長く。
「たとえ絶滅危惧種だって、いきなり絶滅するわけじゃねえんだし」
琥珀がにらみ合う僕たちの頭をがしがしとかき回して、飄々と言った。
「未来がどうなろうと、関係ねえじゃねえか。俺たちは消えるまで生きるだけだろう?あいつを守ってな」
視線の先には、僕らを待たせていた龍の娘。
出会い、守ることを誓い、僕らに生きる目的をくれた少女は、僕らを見て顔を輝かせ店に走り込んでくる。
その明るい微笑みに、なんだか気持ちが軽くなった。
そうだね。
僕らは僕らの生を生きるので精一杯だし、未来が決まっているなんてあまり楽しくない考え方だし。
だから、まあいいか。
心の中で呟いて、少し曇った気分はコーラと一緒に飲み干してしまった。
-終-
参加してます。もしよろしければ、クリックお願いします。

にほんブログ村
PR
HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
カウンター