忍者ブログ

宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

[4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【855】

手を伸ばしても届かない距離だから、せめて言葉を紡いでいくつでも君に飛ばそう。折り鶴の形。紙飛行機の形。何にも遮られずに飛んでいけ。どこまでも。

【856】

言葉は刃のようになるという。だったら僕の言葉は一枚の白い紙に変えて、折鶴にして飛ばそう。君のもとへ届いたとき、君はそれを開いてくれるだろうか。

【857】

遠い距離。届かない手。見えない心。僕と君とは背中合わせ。振り返りそうになる。ねえどうか、大嫌いって言葉で僕の心にとどめを刺して。

【858】

歌いたい。声を張り上げて。ありったけの想いをのせて。喉が裂けるほど。脇目もふらずただひたすらに。でも僕は歌うべき旋律を持ってない。歌いたい衝動しか持ってない。だから、僕に歌をください。心をえぐるような、気持ちを揺さぶるような、旋律をください。

【859】

僕は欲張りで、自分から手放したはずの君の、欠片だけでもこの手の中に留めておきたいと願ってしまうんだ。それはただの醜い独占欲。君を苦しめるだけのわがまま。記憶にすがりつくしかない孤独な愚か者だ。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

PR
【850】

砕けた欠片が綺麗なのは、ぎりぎりまで耐えていたから。儚い音を悲鳴の代わりに響かせて、砕けた欠片を涙の代わりにきらめかせ、それでも誰にも気付かれることなく日常に埋もれてゆく。それがたとえ心だったとしても。

【851】

体を突き抜けて飛び出した言霊が方向を見失ってめちゃくちゃに飛び回る。手を伸ばしても捕まらない。指の間をすり抜けて、僕を嘲笑うように身を翻す。押さえ込んでどうすんだ?傷だらけになっても叫べばいいと誘惑する。

【852】

ああ、血が騒ぐ。白く輝く刃を鮮血に染め、月光に照らされて哄笑(わら)いたい

【853】

嫌いなら嫌いでいいさ。言葉尻拾って、馬鹿にされたと思って熱くなるなよ。好きなら堂々としてりゃいい。受け付けないなら触れなきゃいい。互いに自分の趣味を認めさせようなんてしなかったら、話はそれで終わるだろ?

【854】

荒い言葉は心にささくれを生む。それはほっとけば痛くないが、触るとほどほどに痛くて、少し傷ついてる自分が心地いい。でもやり過ぎると傷が深くなってずきずきとうずき出す。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

【865】

誰にも誉められないどころか誰にも読んでもらえない文章に、なんの価値があるんだろう。


【866】

好きと苦手が入り交じる人は、どうでもいい人よりよほど自分に近しいのだろう。縁はいきなり僕を絡めとり、僕をかき回し、僕を放り出す。気持ちが波立つ。僕の醜さが露呈する。


【867】

こうしてまた、君の影を垣間見る時まで、僕は一人彷徨い続けるのです。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へにほんブログ村

拍手[0回]

前のページ HOME

HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
カウンター
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

忍者ブログ [PR]
template by repe