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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【810】 雨師と花見

「桜はいいのお」
雨師がうっとりと満開の桜に見とれている。
「春が来た!という実感がわくのお」
「そうだな」
俺は傘をさしたまま桜の下を歩いていった。
この雨で花見客はいない。
頭上で雨師がそっと花に触れてはくすくす笑っているのを見たら、二人占めってのも悪くない気がした。

春の嵐の日に。


【811】 留守番

ただいま、と告げる待ち焦がれた声に僕は伏せていた顔をあげる。本当はとんでいってお帰りって言いたいけど、君がいなくて寂しがってたなんて思われるのも癪だからわざとのんびり歩いてく。でも玄関に行ったら君が笑って僕を撫でるもんだからつい喉を鳴らしちゃった。

書き出しをお借りしたにゃ(^^)


【812】 護衛・妖

護衛なんだから君を守るのは当然でしょ。そんな泣きそうな顔しないの。確かに痛そうに見えるけど大丈夫。僕は腹に刺さった刃を無造作に抜いて放り投げた。みるみる傷が塞がっていく。化け物扱いされるこの特異体質も悪くないと思わせてくれたから、必ず君を守るよ。

書き出しをお借りして。ポジティブ編。


【813】 護衛・滅

護衛なんだから君を守るのは当然でしょ。でも突然の凶行に、突き出される刃を受け止めるので精一杯だった。力が抜ける。君が目を見開いて僕を見てる。ごめんね。こんなに血を流してたら怖いよね。だから後ろを向いて振り返らずに走るんだよ。無事で、よかった・・・。 

812と同じ書き出しで、ネガティブ編。
どちらもばあっと頭に浮かんで決めかねたので、両方書かせていただきました。


【814】 朔

僕は夜空の朔の月。君からは見えない黒い月。ひとりぼっちで空の上。誰も僕には気づかない。地上に君を探しても暗くてなにも見えなくて、ぽつりと呟きため息ひとつ。・・・ボクハココニイルヨ。

以前設定を書いていただいた朔月。
当方ではこういうイメージです。
黒猫のイメージだったのですが、黒猫はもう翡翠が居るんだよね(^^;)。
設定を練り直さないといけません。


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【809】 

昼と夜が混じり合う時、僕の瞳が金色に変わる。
世界は琥珀に染まり、今まで見えなかった揺らめく影がそこここに現れる。
あれは人の怨念。
僕の瞳は日が落ちきるまでの間だけそれを視界にとらえる。
エアガンに気を込めてそれを撃ち抜き消し去るのが僕の仕事なんだ。

書き出しをお借りして。


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【806】 桜鬼

桜の大木の下で桜鬼は耳を澄ました。この木は人の世からは少しずれた場所に存在するが故に人の目には触れぬが、これを始まりとして人の世の桜が回りだす。南から北へ。海辺から山へ。その花びらの吹雪く音に耳を澄まし、桜鬼は微笑みを浮かべた。今年も綺麗に咲き誇ったようだ、と。


【807】 降臨

どうか神よと乞うてはみたけれど、この世に神が存在するなどと信じていた訳じゃない。それはある種の呪文のようなもので、だから目の前に神が現れた時、僕はただ呆然としてしまった。「どうした。我を呼んだであろう?」神の美貌が僕の目の前で悠然と笑んだ。

書き出しをお借りして。


【808】 さくら さくら

さくら さくら 
世迷う僕の道を隠して花吹雪 
行きも帰りもわからぬままに 
夢幻の如き薄紅に 
包まれ朽ちてゆけるなら 
それもいいかとまぶたを閉じて 
君の面影だけを抱く


もうこの時期は、これでもかというほど桜祭り。
申し訳ないです(^^;)。


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【799】

夜桜に誘われて宴を催すは、人もあやかしも同じこと。永い時を生きるが故にそのはかなさは胸をうち、小さな花弁に潔さを見いだす。春を告げる美しさに敬意を表し、久方に会う友と酒を酌み交わす。幾年も変わらぬ春。それでもそれは待ちわびた春。


【800】

あやかしすらも魅了して、無邪気な桜、空に舞う。優しき色に忍ばせた恋の狂気のその欠片、誰の視線も惹き付けて、そっと心に滑り込む。桜吹雪に染まったならば、止まらぬ気持ちが刃となりて、桜はさらに艶やかに紅を濃くして咲き誇る。


【801】

僕が君の世界に無理矢理踏み込んだから、君の世界は壊れてしまった。わかっていたのにそうしたのは、君を僕だけのものにしたかったから。でも世界が壊れてしまったから、君は僕の手の中で粉々に崩れて消えてしまった。後悔しても、もう君は戻ってこない。


【802】

はるだからいろんなものをすててしまおうか。ぼくのおくびょうやみれんがましさやしがみついているつながりやきみへのおもいなんかを。きっとてばなしたとたんにこうかいするんだろうけれど。


【803】

そろそろ君の中から僕の存在が消えたみたいだから、僕の中の君もしまってしまわないといけないんだと、少しの心の痛みとともにしまう箱なんか作り出してみたけど、ふと手を止めて、本当は捨ててしまわなきゃいけないのにねって自分の馬鹿さ加減に苦笑する、光のどけき春の日の午後。


春は浮かれる気持ちと物悲しさが両方似合う気がして。


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【797】 夜鳴鶯

夜鳴鶯が鳴くという森に迷い込む。その美しい歌声を聞けるならたとえ命を失っても構わないと、本気で思っていた。しかし、月光に照らされた夜鳴鶯を見た時、それが間違いであることを知る。彼女は黒くつぶらな瞳に多くの死を見た悲しみを湛えていた。歌ってくれとは言えなかった。

設定:【夜鳴鶯】 夜に鳴く鶯。鳴き声はとても美しいが聞くと死を呼ぶとされている。

【798】 いい人

僕は、そんなにいい人じゃないんですよ。人当たりがいいのは商売柄でしてね。普段は外面をばらすことはないんですが、特別に教えてあげます。あんまりまっすぐに僕を信じるから気の毒になって。すみませんね。胸のナイフは偽物じゃないんですよ。命、いただきますね。

書き出しをお借りして。


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もふもふは正義ですwwww
「我は「もふもふ」を欲する!」


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宵月楼 店主
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自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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