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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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今回は「虎灯(ことう)」だけで三つ設定をいただいたので、ついのべ書かせていただきました。
ありがとうございました。


【763】 解放

「これは虎灯と申しまして妖の類を遠ざけます。実際は猫又が封じられておるといわれていますが」骨董屋がしたり顔で講釈する。僕は苦笑して手を差し伸べた。「そうだね。窮屈だって泣いてるから、出すよ」「えっ?」僕が蝋燭立てを握り壊すと、いくつもの魂が泣きながら飛び出した。

設定:虎の意匠が施された蝋燭立て。灯された火はまるで生きているように揺れ、妖の類を遠ざける。実は複数匹の猫叉が封じられた品であり虎とは関係ないのだが、妖も猫よりは虎の方が怖かろうとこの名がつけられた

【764】 試合放棄

「えーっと、なに」俺は随分間抜けな問いかけをしていた。目の前には提灯に照らされた虎のあやかしがいる。俺と勝負をするのだと言ってどいてくれない。負ければ精気を吸われる。「でもまあ俺の頭じゃ勝てねえし、死なないならいっか」笑って座り込むと、虎は驚いて尻尾を振るった。

設定:無数の提灯に照らされた虎の妖怪。竹林に現れては通りかかった人間に勝負を持ちかける。負ければ明かりと精気を奪われるが、勝つことが出来れば七代先までの繁栄を約束するという。

【765】 鬼灯の毒

「不思議な鬼灯ですね」彼女はそういうとトラフホウズキにそっと触れた。虎の柄をがくの部分に焼き付けたその植物は、虎に見つけてほしいのだ。焦がれ焦がれた末にその身を染めたのだ。「でも綺麗」微笑む彼女に焦がれた私はどんな風に染まるのだろうか。その身に毒を宿しながら。

設定:トラフホウズキの別称。がくの部分に虎縞の斑があるため名付けられた。言い伝えによると、虎が道標に灯を灯したホウズキが再び灯してもらうために目印として変化したとされている。


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【760】 春がくる

春が来るから、捨てられなかったものを捨てよう。もう着ない服。読まなくなった本。たまってるレシート。使わなかった去年のカレンダー。そして、いつまでもしまい込んでいた君への想い。散りゆく桜に背中を押してもらって、ほんの少しの寂しさと一緒に捨ててしまおう。


【761】 花びら

ふわふわとよりどころのない僕の言葉が、誰にも気づかれないまま春の雪のように溶けて消える。誰かが触れてくれたなら、それは花びらに変わるだろうに。


【762】 おもちゃ

僕はもう、君にとっては要らないおもちゃ。飽きたなら、捨てられて、忘れられて、それっきり。きっともう、思い出すこともないね。今まで遊んでくれてありがとう。呟いても君はもう薄暗いおもちゃ箱のすみに気付きはしないんだ。そして箱は閉じられた。僕の時間が止まった。


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ツイッターで、発言に【タグ】というものをつけると、簡単に同じような考え方や話題を検索できる機能があるんですが、最近そこで「#架空の名前を呟くと誰かが素敵な設定をつけてくれるタグ」というものがありまして。
全然普段かかわりのない人にも見てもらえるので、ちょっと楽しくて連投してます。

今日はその勝手に作ってもらった設定で書いたついのべです。
設定くださった方、ありがとうございます(^^)。


【755】 「かがり」と「まつり」

かがりは神の火を灯し、まつりは神降ろしの舞を舞う。生まれたときから、いや生まれる前から共にあった。互いだけ居ればよかった。しかしかがりはある時気づいてしまう。まつりが誰かに恋をしていると。それが自分ではないと。離れるなんて許さない。黒く穢れた炎が二人を包んだ。

設定:かがり→炎を操るサムライ まつり→舞が得意な巫女

【756】 朔月(さくつき)・壱

 「バカだな」
彼が呟いた途端、全てが闇に包まれた。
見えるのは細い月のような白刃の煌めきのみ。
「僕に手を出すから死ぬはめになる。僕は朔の月。新月の闇に唯一光ると名付けられた剣なんだから」
答える間もなく男の首は胴から離れた。吹き出す血潮すら闇に覆い隠された。

設定:ある呪術師が打った最強の日本刀。全ての光を消し去り、出現した暗闇の中で、気付いた時には皆斬られているという。

【757】 朔月・弐

もうすぐ満月だ。僕は月光を鉢に当てながら空を仰いだ。育ててきたその花は、つぼみがふくらんで開く時を待っている。満月の夜、この花が咲いたらわずかに採れるその蜜を持って君の家に行こう。きっとこれで病は治る。これは月の光と僕の命で咲く、奇跡の薬草なんだから。

設定:満月の日にしか咲かない奇跡の花(薬草)を育てている…というのはどうでしょうか?|ω・)

【758】 炎樹

こんな田舎のご神木を守るだけの一生なんざごめんだ。俺は村を抜け出すつもりでいた。炎の木を守る血筋の最後の一人だからって名を「炎樹」とつけるなんて、それ以外の生き方がないみたいじゃねえか。だが。「神様が泣くんじゃねえよ」宿る神様は泣き虫でほっとけねえガキだった。

設定:火の国のある農村の出身で、村の宝である"炎の木"を守っている若者

【759】 志鳥

古い屋敷に住む彼女は今日も庭を眺めている。長い黒髪と色鮮やかな着物に彩られ、しかし美しい容貌に寂しげな表情を浮かべている。庭の木に止まった白い鳥は、それをじっと見つめる。言葉を話せたら彼女の欲しいものをあげるのに。「志鳥」と彼女が忘れた名を呼んでやれるのに。

設定:寂れた町の古いお屋敷にひとり住む女性。着物を身に纏い、長い黒髪をそのままに過ごしている。その屋敷には、尾長の白い鳥が彼女を慕って住みついている。

楽しいんで今後もあると思います。
よろしくお付き合いくださいませ(^^)。


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【752】 向こう側の存在

「猫又だって最近はこれくらい使えないとね」ツイッターに書き込みをしながら僕が言うと、君は驚いて僕を見た。「多いの?あやかし」「さあ、どうでしょう?」にやにや笑う僕にクッションが飛んでくる。でもね、相手が何者かじゃなくて気が合うかどうかでしょ?

【753】 ありがとう

誰に向かって話すわけじゃない独り言を流しても、誰かが聞いてて受け止めてくれてる。ふざけて遊んだり、寂しい気分を振り払ったり、挨拶だけだってそのちょっとした会話が心にじんわり染みてくる。君と知り合えてよかったよ。僕と繋がってくれてありがとうね。

【754】 巡る言葉

たった140字。だけど140字。僕の言葉はその限られた中にめいっぱいの気持ちを詰め込んで旅立っていく。世界を巡って、いろんな人に出会って、最後には君のところまでたどり着くだろうか。君からのリプが、いつか僕の扉を叩きますように。

お題:Twitter
昨日はツイッターの誕生日だったので、あやかしBotでついのべデー特別版してました。
飽きもせず線をつないでくれていてありがとう。
いつか切る時は何も言わずにブロックしてね。
だって、こっちから話しかけすぎて、自然消滅とかありえないから(^^)


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【749】 告白

つま先立ちをして君は少し高い位置に縛られている私に口づけた。「いけない。君まで罪人に」「私は貴方が好きなのです」告白は潔く、君は堂々と笑う。「石もて打つなら打てばいい。槍で貫くなら貫けばいい。共に逝けるなら本望です」「君は本当に奇特な人だな」「お互い様です」

お題:本日の身体部位は「つま先」、行動は「打つ」、悲恋作品を創作しましょう。補助要素は「告白」です。 #karadai http://t.co/ITPwvoee


【750】 放つ

身体の中の狂おしいほどの衝動も殺伐とした気持ちも泣きたいほどの愛しさも柔らかな微笑みもすべてすべて現す言葉が僕のなかに眠っているのならどうか起きて春のすこし強い風に乗せてあの空の向こうまで飛んでいって。


【751】 疑問

君に届かなくなった僕の声になんの価値があるのだろう。


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HN:
宵月楼 店主
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非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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