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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【934】 丘で聞く

丘に吹く少し涼しい風があなたの髪をなびかせる様が綺麗で、返事は聞いていなかった。でもたぶん、返事は期待していなかったんだと思う。だからその後はもう何も言わずそっと隣に立って手を握った。握り返す温もりに少しだけ微笑んで、二人で上を見上げて風の音を聞く。

二文字しりとり【おか】→【きく】


【935】 紫陽花

紫陽花が微笑んで空を見上げます。雨の日は私がお日様の代わりにみんなを見守りましょう。薄紅、紫、青、緑。柔らかな色で灰色の町に色を添えましょう。だからみんなが嫌な顔すると拗ねずに降らせていいのです。夏になったらきっとあなたに感謝するわ。ね、雨師様?

お題:六月


【936】 あなたにあげる

とっておきの笑顔とお菓子よりも甘い言葉、そしてあなたが欲しがっていた「僕」をあなたにあげましょう。幸せに浸りきって、ゆっくり溺れてくれますか?沈むあなたの手をほどいたら、どんな顔を見せてくれるでしょう。ああ、楽しみですよ、世界で一番嫌いなあなた。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 とっておきの笑顔とお菓子よりも甘い言葉、そして 】 http://t.co/xa0YiAVQ


【937】 魔女見習い

ラリラルラレラ。意味の無い歌を歌って君が歩く。エプロンいっぱいのハーブを抱えて、不思議な匂いを振りまきながら。魔女見習いが楽しくて仕方ないんだと語る君がそっと呪文を囁いて、花を一本僕に差し出す。それは恋を閉じ込めた甘酸っぱい香りのカミルレ。

お題:二文字しりとり【らり】~【るれ】


【938】 おかえり

見知らぬ野良猫が僕を出迎えた。「なんだ、お前」ちょこんと座っているそいつはまるで自分の家にいるように当然の顔をしている。顎の下をくすぐると嬉しそうにのどを鳴らす。「仕方ないな」戸を開けた僕に、野良猫はお帰りというようににゃあと鳴いた。

書き出しをお借りして。

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HN:
宵月楼 店主
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非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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