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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【953】 再訪

「城下町はやはり活気が違う」
浪人は町のにぎわいに思わず呟いた。
藩を抜け、長旅をしてきたせいで足袋は穴が開き、着物は薄汚れていたが、やっとたどり着いた喜びに笑みがこぼれる。
「師匠はお元気だろうか」
そして師匠の娘さんは。
五年ぶりの再開に胸が高鳴った。

お題:浪人、足袋、城下町


【954】 うさぎさん

「ねえ、届かない」
幼い彼女は月に手を伸ばし、口を尖らす。
「月が欲しいの?」
「ちがう。うさぎさん、一人はかわいそう」
首を振って指差す月には、兎が一羽。
耳を揺らしてひょこんと跳んだ。

お題:しゆうさんのイラストにお話をつける試み


【955】 野良猫 

僕はもう誰の特別にもならないと心に決めた。
だからどこにも属さない。
少しのふれあいくらいなら付き合ってあげてもいいけど、誰かの特別になって、誰かが僕の特別になったら、別れた時に死ぬほど悲しいから。
だから僕は野良猫として生きる。
もう誰にも飼われない。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 僕はもう誰の特別にもならないと心に決めた 】 http://t.co/xa0YiAVQ


【956】 おしゃべりな尻尾

君はかまってもいいし、かまわなくてもいい。いいんだよ、別にね。ほら、忙しいだろうし、そんなの君の自由じゃん?でもね、構ってくれたら嬉しいなあ・・・。背中を向けた猫の尻尾が、僕はここにいますよ、と言うようにぱたんぱたんと揺れた。


【957】 ロールケーキの日

薄く焼いた生地に生クリームとフルーツを。くるりと丸くしたらついぎゅっと押さえたくなるけど(だって巻き寿司のすのこ使っちゃってるし)、それはこらえてそっとね。お皿にのせて、さあどうぞ。全部食べていいよ。君のためのロールケーキだもん。ねえ、おいしい?

お題:ロールケーキの日


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自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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