宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【716】
月を見上げて、彼は少し眉をひそめた。
仕事をするには、明るすぎるのだ。
黒い着物を着ても、逆に月夜に出歩けば不審だととられかねない。
かといって、普段どおりでは素性がばれる恐れがある。
「今夜だけっつうのは、きついよなあ・・・」
呟いて、彼はできるだけ地味な着物を選んだ。髪を少し乱し、貧乏な浪人を装う。
刀の鞘は多少塗りがはげているくらいで十分だ。まさか業物が入っているとは思われまい。
「月見の宴の帰りだと、そろそろか」
満月を見上げ、彼はそっと長屋を出た。
気配を消し、長屋の住人には外出を知られないようにする。
そして、かねてより目をつけていた、大名の下屋敷近くの竹やぶへ足を向けた。
人目がなく、竹の音が多少は物音を誤魔化してくれる。
仕事人の顔になって、彼は刀にそっと手を添え、足を速めた。
お題:「月見」、「鞘」、「仕事人」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
設定と、あと瑠璃丸のお話、桜の頃までにはアップしたいなあ・・・。
もしツイッターをしていたら、うちのあやかしたちのつぶやきもぜひ聞いてやってください。
@ayakashi_bot でお待ちしております(^^)。
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月を見上げて、彼は少し眉をひそめた。
仕事をするには、明るすぎるのだ。
黒い着物を着ても、逆に月夜に出歩けば不審だととられかねない。
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「今夜だけっつうのは、きついよなあ・・・」
呟いて、彼はできるだけ地味な着物を選んだ。髪を少し乱し、貧乏な浪人を装う。
刀の鞘は多少塗りがはげているくらいで十分だ。まさか業物が入っているとは思われまい。
「月見の宴の帰りだと、そろそろか」
満月を見上げ、彼はそっと長屋を出た。
気配を消し、長屋の住人には外出を知られないようにする。
そして、かねてより目をつけていた、大名の下屋敷近くの竹やぶへ足を向けた。
人目がなく、竹の音が多少は物音を誤魔化してくれる。
仕事人の顔になって、彼は刀にそっと手を添え、足を速めた。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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