宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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「逢魔が刻?」
不思議そうな顔で繰り返す君に、僕はニヤリと笑って見せる。
「黄昏の魔法。夢と現の境。人とあやかしの入り交じる時間。ほらね」
僕の耳が尖って柔らかい毛に覆われる。
目が緑に染まり、光彩が縦に切れる。
怖がるかな?
でも君は、ただ笑って「知ってたよ」と言った。
お題:
「夕方の屋上」で登場人物が「笑い合う」、「猫」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927
猫又くん、正体を現すの巻。
でも、女の感をなめちゃいけません。特に恋する女の子のね(^^)
【208】
「関所を抜けるは、女の身には無理なこと。手形が無い限り江戸を出るなど叶いませぬ」
流れてきた雪女は言う。
もうすぐ春。
彼女には暑すぎるのだが、と思案すれば、行灯の炎がふわりと揺れた。
「天狗か」
「我が送ろう」
それはよい。
燕のように空を駆けよう。
お題:
「関所」、「行灯」、「燕」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
あやかしなら自力で何とかしなさい、というツッコミはなしでお願いします(^^;;;)。
たぶんね、春近くなって妖力が弱まって、化けるのもやっとな状態なんじゃないかと。
早く北に帰らないと溶けちゃうし、と駆け込んだのが江戸の妖怪の中でも実力者のところで。
無愛想だけど実は人のいい天狗が送ってくれることになったんだと、面白いかなと思いました。
北は酒がうまいし、天狗も何ヶ月か北で暮らすといいですな。
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橋姫の罠に落ちたくなくば、月のない晩にその橋へ行ってはならぬ。
前も後ろもわからなくなるほどたちこめた霧の中から彼女の白い腕が伸びてお前を抱き締め、甘い声で睦言を囁かれればもう逃げられぬ。
お前はあちらへ連れ去られ、姫が飽きるまでの玩具となりはてるのだ。
お題:
「夜の橋」で登場人物が「抱きしめる」、「罠」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927
牡丹か椿の花をあしらった赤か黒の着物を着て、しゃれこうべを抱えてうっとりしている女性のイメージ(^^;;;)
相方に「ひそやかなエロさ」があると評価されました。
ある意味、合ってる・・・w
【206】
寺に鬼。
我を返せと片手鬼。
赤き瞳を闇夜に燃やし、残る腕(かいな)を差しのべる。
封魔の札もその妖力に、燃え落ち腕は元通り。
水面(みなも)に櫂をさす如く、ためらいもなく人の身に突き立て流れた紅色が白き腕を彩った。
お題:
「鬼」、「寺」、「櫂」を題材に。
これも、女鬼もしくは美形の鬼で。
腕は白。
封じられていた札すら燃やすほどの妖気で腕を取り戻す。
そんなイメージで。
肩に緋色の着物を掛けていて、腕のない袖が風に吹かれているといい。
そんなことを考えていました。
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閉園時間を過ぎて闇に包まれていた遊園地に、じんわりと光が滲み、辺りを柔らかく照らしだす。
あやかしに手を引かれ、人間の子供は目を丸くしている。
噂を聞いて来たいと願ったのは君。
だが気がついているかい?
「好きにしていいよ」と笑うそのあやかしの牙が尖っていることに。
お題:
「深夜の遊園地」で登場人物が「好きにする」、「噂」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927
【204】
豪雨だったな。
彼は言った。
異常気象と言われる昨今でも、珍しいほどの集中豪雨だった。
増えた水は濁流となり、矢のような速度で下流へ流れた。
だからしかたなかったのだ。
河童もたまには川を流されるさ。
彼は悟りきった口調でそう言うと、濡れた髪を絞った。
お題:
「雨」、「矢」、「河童」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
河童の川流れwwwww
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昨日から今日の朝にかけて、もう、豪雨といっていい土砂降りでした。
雷は派手に鳴るわ、飴はたたきつけるわ、道路によっては20センチほど冠水したりして。
実は、実害さえなければ、雷や強風、豪雨になると、血がたぎるタイプです(^^;)。
もちろん、被害に遭われる方にとっては冗談ではない話なので不謹慎で申し訳ないですが。
雷は、どんな轟音でも怖くないです。
近づくと灯りを消して、びかっと光るのを待ったりしてました。
強風もむしろ向かい風にあたるのが気持ちいいというか。
「負けねえぞ、畜生!」みたいな気になるんですね。
というわけで、昨日は結構同じように雷で血がたぎる仲間と変にハイテンションでした(^^;)。
【201】
眠れずに居間の床でごろごろしていたけど、ふと思い立ってチョコレートなんか溶かし始める。
ゆっくりと溶かして、ハートは恥ずかしいから猫の型に流し込んで、目のかわりにアンゼリカやチェリーの欠片を乗っけて。
明日、渡したらどんな顔するかな?
想像したらまた眠れなくなった。
お題:
「夜の床の上」で登場人物が「さめる」、「チョコレート」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927
【202】
桃の花の柄を散らした薄紅の着物。
淡い紅を唇にのせて、黒髪を緩く結い、そこにも桃の花を飾る。
初めて祝ってもらう節句に、少女はどんな顔をしていいのかわからないという表情で
おずおずと縁側に歩み出る。
しかし、満月の下、彼女を守るあやかしたちが自分を優しいまなざしで見ているのを知ると、
やっとふわりと嬉しそうに笑みを浮かべた。
お題:
「満月」、「着物」、「桃」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
うちの凛音は幼い頃にこういうことを一切経験しないで過ごしました。
なので、七夕の話の時もそうですが、あやかしたちは季節の行事や成長のお祝いをできるだけしてあげようと考えています。
与えられなかった暖かさを、できる限り与えてあげようとしています。
ただ、少々過保護なのは、まあ、娘可愛さというやつで、仕方ないですね(^^)。
男親は、娘に甘いものですよね。
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という一日でしたね。
でもまだまだ、デジタルでもいろいろ不具合が出ているようで。
早く安定するといいですね。
【199】
「プラネタリウムの前で正午」
待ち合わせ時間と場所の書かれた手紙を持って、僕は急いだ。
今どき文通なんて古風だって言われるけど、ポストに投函する音や届いたときに貪るように文字を追いたくなるドキドキが好きで、ずっと続けてた。
でも会ったら、手紙じゃ足りなくなるのかな。
お題:
「昼のプラネタリウム」で登場人物が「貪る」、「手紙」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927
【200】
ところてんが器に満たされる。
氷が無くとも井戸の水はひんやりと冷たく、そこから椀に移したところてんはきらきらと美しいほどで、それだけでも涼を感じる。
寺の中でも風の抜ける部屋でみんなでそれを食す。
「三杯酢?それとも黒蜜?他にもあるよ」
食の仕事人は味にも抜かりない。
お題:
「寺」、「ところてん」、「仕事人」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578
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