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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【717】 贈り物

街道から手鞠がぽんぽんと森に転がっていった。無くした子供の泣き声も知らぬ顔で山道をころころと転がった鞠は、やがて小さな童の足にぶつかって止まった。美しい鞠を拾い上げ、童はにこりと笑った。「姫君に空からの贈り物じゃの」そして、それを抱えて森の奥に駈けていった。

お題:「街道」、「手毬」、「姫君」で創作しましょう。 #jidaiodai http://s

【718】 季節外れの桜

百年ぶりの目覚めだった。百年悪しきものを封じ浄める代償に、一夜だけ愛しき者との逢瀬が許される。彼女は眠りから目覚め、手を伸ばし、月明かりの下、愛しき者と指を絡ませ微笑みを交わした。吹いた風に季節外れの桜が舞い散ると、彼女は消えていた。一本の桜の古木が枯れたのだった。

お題:季節外れの桜


【719】 あの日

あの日、君は怖い目に遭い、僕は平気だった。君のために何かしたいと思ったけど、その気持ちがもうおこがましいのだと気づかされた。何も言う資格などないと。その時に出来た亀裂は、広がって、広がって、もう僕のいる場所から君は見えない。「ごめんね」も、もう届かない。



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【716】

 月を見上げて、彼は少し眉をひそめた。
 仕事をするには、明るすぎるのだ。
 黒い着物を着ても、逆に月夜に出歩けば不審だととられかねない。
 かといって、普段どおりでは素性がばれる恐れがある。
「今夜だけっつうのは、きついよなあ・・・」
 呟いて、彼はできるだけ地味な着物を選んだ。髪を少し乱し、貧乏な浪人を装う。
 刀の鞘は多少塗りがはげているくらいで十分だ。まさか業物が入っているとは思われまい。
「月見の宴の帰りだと、そろそろか」
 満月を見上げ、彼はそっと長屋を出た。
 気配を消し、長屋の住人には外出を知られないようにする。
 そして、かねてより目をつけていた、大名の下屋敷近くの竹やぶへ足を向けた。
 人目がなく、竹の音が多少は物音を誤魔化してくれる。
 仕事人の顔になって、彼は刀にそっと手を添え、足を速めた。

お題:「月見」、「鞘」、「仕事人」で創作しましょう。 http://shindanmaker.com/138578

設定と、あと瑠璃丸のお話、桜の頃までにはアップしたいなあ・・・。
もしツイッターをしていたら、うちのあやかしたちのつぶやきもぜひ聞いてやってください。
@ayakashi_bot でお待ちしております(^^)。


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【713】 叶わない願い

時折熱に浮かされたようになる。わかってる。いくら人の姿を写しても、あやかしの血が騒ぐ夜があるんだ。でもそれは、君との違いを思い知らされているようで、たまらなくなる。どんなに願っても、人にはなれない。気の遠くなるような時を過ごしても、それだけは叶わない。


【714】 溢れ出す言葉

時折熱に浮かされたようになる。頭の中を言葉が飛び交い口々に喋りだしてもう訳がわからない。扱いやすい奴からひっ捕まえて手当たり次第に #twnovel のタグを付けてネットの海に流す。いくつか流すとやっと少し静かになる。その代わり残った奴は偏屈な奴ばかりで扱いづらいったらないんだ。


【715】 孤独

一人でいるときは孤独なんて感じなかった。周りに居る人間がどうでもいいときは一人ぼっちでも平気だった。なのに、親しい人間が増えるにつれて、心は孤独を覚えていく。不意に全てが自分に背を向けたら。そんな不安が胸を締め付ける。この広大な世界の片隅で寂しさに震えてる。


ついのべ三編。
暖かくなってきたからか、花粉症ぎみだからか、思考が散漫で(眠いだけw)文章が浮かんできません(T-T)


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【710】 春の空

くりんくりんの君の髪みたいな雲がくりんくりんと空に浮かんでる。触るときっとふわふわで、くすぐったいって笑い声がするんだろう。君の笑い声みたいな、一緒に笑っちゃいそうなあったかい春の風が吹いた。

お題:春一番
昨日はあったかくていい天気でしたね♪


【711】 餌付け

いつも自分が一番みたいな態度でさ。生意気言ったって誰からも好かれて心配されてさ。友達だって多いじゃん。あたしくらいはあんたのこと嫌いでもいいんじゃね?って言う口に、ポクンとキャンディーが放り込まれた。「機嫌直して?」「うー」結局、餌付けされてんじゃん、あたし。

【712】 からっぽ

いっぱいに満たしてもすぐもっと欲しくなる。きりがないから諦めると中途半端で、じゃあいっそのこと要らないやって全部中身をぶちまけたって、どっかに引っ掛かってしがみついていて空っぽになれない。人の感情ってほんと始末が悪い。ため息をついて途方にくれる。

お題:『明後日は日曜日・餌付けされてんじゃん・からっぽになれない・放課後の教室・相性抜群?』です http://t.co/OzqpAdbH


昨日は沈丁花の匂いがしましたよ。
今年は寒いせいか、春の気配にすごく敏感になっている気がします。


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【706】 盗み見る

盗み見る こらえきれずにいくたびも 視線であなたを絡め取れたら

【707】 瞳にかけた魔法

その両目に魔法をかけてあげよう。愛しい者を盗み見るたびに、視線は少しずつ心の欠片を奪うだろう。悪魔の言葉は本当だった。一欠片また一欠片と転がり込んでくる心。だけどそれはどんなに組み合わせても元には戻らず、やがて空っぽになったあなたを抱いて私は心を粉々に砕いた。

お題:本日のお題は「盗み見る」または「思うそばから」、できれば狂おしく表現しましょう。 #57dai http://t.co/kgPae4VP
短歌用のお題ですが、やってみたらやはり下手なので(^^;)、創作全般にというお言葉に甘えてついのべに。


【708】 雨の音を聞きながら

雨が滴り落ちるように、言葉の雫を降らせたい。時にはどしゃ降りだったり、時には枯れてしまったりするけど、君に降り注ぐ慈雨になるような言葉を紡いでいたいと思う。だから、君を潤す言葉を僕はずっと探してる。


【709】 人形

あの日言えなかった言葉がくすぶっている胸に鍵をかけたらもう何処にも行かずに何時までもくすぶり続けるから全て涙で流してしまおうと思っても作り物の瞳からは涙は一粒も流れないのです。


ご訪問、拍手ありがとうございます。
ここに生息する奴らの設定を、現在まとめ中です。
基本、読んでいただいた方のイメージを大事にしたいと思っているし、もし自分のイメージと違うのならそれはこちらの伝達力、文章力不足だろうと思うのですが、なにせいろいろ出てくるので自分の整理も兼ねて。
あくまでイメージですので、「あー、こんな感じか」と思っていただければ幸いです。


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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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