忍者ブログ

宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

[31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38]  [39]  [40]  [41

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【847】 別れの朝

暁降ちの空の下、まだなにもかも微睡んできっと届かないと思っていたからひんやりした空気を吸い込みながら呟いた「さよなら」
壁の向こうから「さよなら」と返ってきて、僕は息を飲む。
ただそれだけの別れ。
見ていたのは薄紅に染まった空だけ。


【848】 空色の折鶴

空を切り取って青い折り紙を作った。
それを鶴に折って空に放り投げると、それは空を飛ぶ折鶴になるんだ。
胴体を膨らませるために息を吹き込むときにささやきも一緒に吹き込むと、折鶴は空を飛んで言葉を届けてくれる。
でも重いから一言だけだよ。


【849】 恋石食べた

空から恋石が落ちて来た。
「これ、何?」
受け止めた僕の手の中を覗いて君は言う。
「恋石。好きな人に飲ませると恋が叶うんだ」
「固くない?」
「雲みたいな感じ」
「ふうん」
そしてぱくんと僕の手から直に食べちゃった君がいたずらっぽく笑った。

サブ企画。書き出し指定。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[0回]

PR
【846】 ここは?

「ここは天国か?」
「いいえ」
「じゃあ地獄だな」
「いいえ」
目の前で笑う男は少し目を細めた。
「よくお考えを」
そう言われて記憶を探る。
俺は自ら命を絶った。
あいつを殺して。
だが。
「死に損ねた?」
「殺人犯のおまけ付きでね」
男は警察手帳を出した。

書き出しをお借りして。
ファンタジーやあやかし風味にしたかったんですが、なんとなく現実的になってしまいました(^^;)


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

【894】 一人

閉ざされた、たった一人の僕の世界にふいに風が吹く。顔をあげると、君が笑っている。優しく手を差しのべてくるそれが幻だと僕は知っていたけれど、ついこらえきれずに手を伸ばした。幻はふわりと揺らいでかき消える。そしてまた、僕はたった一人。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 閉ざされた、たった一人の僕の世界 】 http://t.co/8GpUt2o7


【845】 似合い

「お侍は介錯人か?」
控えの間にて目を伏せているとふいに声がした。
目を開けると子供がこちらを見ている。
「そうだ」
「刀は似合わぬな。鼓や笛の方が似合いではないか?」
そう言われてギクリとした。
嫌々の仕事だと見抜かれた気がした。

お題:「介錯」、「鼓」、「侍」で創作しましょう。 #jidaiodai http://t.co/evQperRL


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

【888】 優しさ

指先から紅の雫がしたたり落ちていた。
「ああ、そんな顔をするなよ」
綺麗な方の指先で刃物を持った少女の頬を撫でて彼は微笑んだ。
白くなるほどきつく握った指を剥がしてやると、刃物は乾いた音を立てて落ちた。
「もう誰かを呪うのはこれで終いだ」
そして穏やかに…

お題:「雫」、「紅」、「呪う」で創作しましょう。 #jidaiodai http://t.co/evQperRL


【889】 僕だけ

君を守れるのは僕だけ。君を好きになれるのも僕だけ。君の味方でいられるのも僕だけ。君が愛していいのも僕だけだよ。ね、だから僕を愛してよ。

お題:
今日の書き出し/締めの一文 【 君を●●るのは僕だけ 】 http://t.co/8GpUt2o7


【890】 思い出を売る

「思い出を売りませんか?」
だらだらとツイッターを眺めていてふと目に入った呟き。
なんとなく気になってプロフを見に行くと、「思い出買います。内容をDMして下さい」
DMを送る。
「ご利用ありがとうございます」の文字を見たときには、送った内容を忘れていた。


【891】 思い出屋

私の仕事は思い出屋。
思い出を買い集めている。
売ってしまいたいくらいだから辛い思い出ばかりかと思えば、美しい思い出も意外と多い。
優しい思い出も、綺麗な思い出も、相手との関係が壊れた時には心に刺さる刃物となるからだ。


【892】 悪魔

ヤツのみぞおちにダイレクトアタック!もちろん得物は自慢の石頭だ。しかるのち思わず前屈みになったヤツの頭部に後ろ回し蹴りをくらわす。これでヤツはさいきふの・・・「作戦が全部駄々漏れだぞー」「え?」顔をあげたら悪魔の微笑みが目に入った。

書き出しをお借りして。

【893】 鬼ごっこ

「鬼ごっこしようよ。僕が鬼。え?どうして君が鬼じゃないかって?だって僕は君に捕まえてもらえるなら、ここで両手を広げて待っちゃうもん。鬼ごっこにならないでしょ?」と笑って見せたら、「五歳児が生意気だ!」ってはたかれた。年の差があるって辛いなあ。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

【885】 鏡

僕と君の世界は微妙にずれているから、直接触れることはできない。
鏡の中と外のように歪んだ姿が見えるだけ。
声も聞こえない。
届かない。
どうして泣いているの?
何を叫んでいるの?
届かない距離に焦れて打ち付けた拳は、君の姿をさらに歪ませただけだった。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 僕と君の世界は微妙にずれているから、 】 http://t.co/8GpUt2o7


【886】 たんぽぽ

眠っている君の柔らかな髪にそっと指を絡ませる。
ひよこの羽のような薄い黄色の髪に触れていると、胸の中がほかほかと暖かくなる。
窓辺に置いた小さな植木鉢に揺れるたんぽぽが君の本体。
春を呼ぶ花だから、僕の心も春にしてくれるのかな。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 眠っている君の柔らかな髪にそっと指を絡ませる 】 http://t.co/8GpUt2o7


【887】 拾って下さい

「拾って下さい」と書かれた段ボールが目に留まる。
その中には、男の子が一人、座っていた。
茶色と金の混じったふわふわの髪。
大きな褐色の瞳がじっとこちらを見つめている。
「うちに来る?」
思わず声をかけたら、しょげてた尻尾と耳がぴんと立った。

書き出しをお借りして。


ご訪問、拍手ありがとうございます。
やっぱりコロボックルといえば、佐藤さとるさんですよね!


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

前のページ 次のページ

HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
カウンター
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

忍者ブログ [PR]
template by repe