忍者ブログ

宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

[28]  [29]  [30]  [31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【904】 寂しいことを言わないで

不要になったら、僕を壊してください。
その機械人形はそう言って笑った。
当たり前のように自分の破壊を口にして笑う彼が寂しくて、幼い俺はぼろぼろと涙を流した。
そんな俺を慌ててあやした彼の困り顔に、俺はなぜか少し安心したのを今でも覚えている。

書き出しをお借りして。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

PR
【901】 鬼ごっこ

砂時計の砂が落ちきる前に僕を見つけ出して。幾人もの子にそう言ってはみたものの、僕を見つけてくれる子はいなかった。でもその子は他の子と違ってた。砂時計を受け取らずにそのまま僕の手首をつかんで、「離さなければいいだけ」って笑ったんだ。

書き出しをお借りして。

【902】 俺の座敷童

ちっちゃな手。この手の中にすっぽりと入ってしまうその手は以前のように指を互い違いに組んだりできないが、それでも温かさは変わらない。記憶も姿も封じられて今は小さなお前の手を俺は二度と離さない。いつか封印が解ける日まで、守り抜くと誓うよ。

書き出しをお借りして。

【903】 感情の色

「分かりやすい奴だな」そう言われた時は何のことかわからなかった。「人の感情に色がついているとしたら、お前は今、どピンクだぜ?」だとしたら、彼女があいつと付き合っていたと知った今の感情は何色だろう。たぶん消せない赤と嫉妬の青が混じった暗い紫に違いない。

少し変則で。
まず、こちらで作った書き出しで書いていただいた物語に、返歌のようについのべをお返事させていただきました。
元の話はコチラ
リミックスも面白いですが、相手がいる分どきどきしますね(^^;)。


このところ、少しサイトを封鎖していました。
こういうときブログではお知らせができなくて不便ですね。
一応ツイッターの方では常時繋がっていて直でご連絡もいただけるので、なにかありましたらコチラまで。
なくてもどうぞ、お気軽に(^^)


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

ツイッターでの創作企画「抜け落ちたセリフ」に参加しました。
要は、文章ではなく、「セリフひとつでいかに読者をひきつけるか」だという解釈でやってみました。
あくまで自分の解釈ですけどねw


【896】

・・・抜け落ちたのは言葉じゃないよ。僕の気持ち。僕の心。だからなんて言っていいかわからないんだ。どんな顔をしていいかわからないんだ。

【897】

僕の心、どこに落ちているか知りませんか?この間から、全然見つからないんだ。おかしいな。

【898】

あんたがかわいいとかかわいくないとかそういう話ではなくて、いやもちろん俺は好ましく思っているが、それ以前にあんたのその心根や優しさが俺を癒してくれているのだから、もっと肩の力を抜いて出来れば笑ってくれればいいのにといつも思っている。

【899】

いい加減、僕の心を返してくれないかな?

【900】

君の姿が見えないんだ。声が聞こえないんだ。すぐそばに居たはずなのに、あれは夢だったのかな。ねえ、君は僕が見た幻だったのかな。それとも・・・。


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

【895】 今日は何の日?

「今日、何の日かしってる?」
 うちの座敷童は外でいろいろ聞きかじってくるらしく、朝一番でこんな事を俺に聞いてきた。
 卵を焼きながら、俺は生返事を返す。たいてい他愛もないことなんだ。
「あ?知らん」
 しかし、返事が気に入らなかったのか、俺のスネを蹴っ飛ばすとむりやりしゃがまされた。
「ばかー」
 至近距離で罵られる。
「ああ、悪かったよ。で、なんだ?」
「今日はキスの日なの!」
 あー。さいですか。
 こりゃ近所の女子高生かなんかの話を聞いてきたんだな。
 真っ赤になって顔を突き出し目を閉じているチビすけを見ているとからかいたくなったが、朝からこれ以上機嫌を損ねられても困るのでぐっと抑える。
 本格的に拗ねるとあとが長いんだ、こいつは。
「はいはい」
 髪を指ではらっておでこにひとつ。
「えーっ!?おでこー?!」
「チビのうちはそれで十分だ。でかくなったらちゃんとしてやるよ」
 立ち上がって俺がにやりと笑うと、餅みたいにぷうっとふくれた。
「座敷童は大人にならないもん」
「・・・ほんとの座敷童だったらな」
「?」
 わけがわからないと首を傾げるチビに俺は苦笑する。
 すぐに窓の外に来た小鳥達に興味をひかれて走り出すかつての恋人の背中を見ながら、俺は呟いた。

 早く封印を解いちまえよ。俺だって我慢してんだぞ。


お題:キスの日

5月23日はキスの日だそうで。
まあ、うちでするとこんな感じになっちゃいますよ。ツイッターであげたのを、加筆修正(ちょっとだけ)しました。

参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

【893】 関所前

関所に行く道の途中にあるそば屋には、あやかしが住んでいる。
主人は狸、板場に烏、看板娘は雀のあやかしだ。
そして関所を越える力のないあやかしに、狸が人の目を欺く手形を融通しているという。
空も飛べず、陰形も使えぬものにとって、関所はなにかと厄介なのだ。

お題:「関所」、「蕎麦」、「雀」で創作しましょう。 #jidaiodai http://t.co/8r01twW7


【894】 想いの行方

伝え損ねた想いが今も胸の奥でくすぶって消えない。
ゆっくりと低温でやけどするように、心が溶けて行く。
手放せばいいのだ。
忘れてしまえばいいのだ。
しかし、それは楔のように刺さって抜けない。
いつか心が溶けてしまったら、残された想いはどこへいくのだろう。

お題:今日の書き出し/締めの一文 【 伝え損ねた想いが今も胸の奥でくすぶって消えない 】 http://t.co/5mjRSvbP


参加しています。もしよろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

拍手[1回]

前のページ 次のページ

HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
カウンター
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

忍者ブログ [PR]
template by repe