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宵月楼-しょうげつろう-

あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。

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【701】 

 星空が頭上に広がっていた。
 ちゃぽん、と音がして丸いものが水面に浮かぶ。それは河童の頭だった。河童は浮いたまま、ぽつりと呟いた。
「あー、綺麗だなあ」
「そうですなあ」
 岸辺から応える声がする。
 草の中に隠れるように座っていたのは豆腐小僧。
 両手で持っている盆には真っ白い豆腐がふるふると揺れている。
「住み処離れてうろうろしてるなんざ珍しいなあ。豆腐が崩れるから、遠出嫌いじゃねえの?」
「・・・そうですなあ」
 豆腐小僧は空を見上げて、ぼうっとしたまま生返事を返す。
 河童は首をかしげ、やがて、理由に思い至る。
「お絹ちゃん、輿入れだったっけか?」
 豆腐がふるんと揺れた。
「ざる豆腐小僧・・・北陸の方だっけ?」
「はあ・・・綺麗でしたなあ・・・」
 豆腐小僧は星を見上げたまま、ぽつりと呟いた。
 幼なじみの嫁入りを見送りここに一人で来たは、色々溢れる思いを捨てに来たのか。それとも・・・。
 ま、いいさね。
 奴も男さ。
 自分でケリをつけにゃならねえ思いも、時にはあるさ。
 河童は水面に浮かんだまま、自分も視線は空に向けた。
「綺麗だなあ」
「・・・そうですねえ・・・」
 それきり黙って、二人は星を眺めていた。


お題:「星空」、「豆腐」、「河童」で創作しましょう。 #jidaiodai http://shindanmaker.com/138578

豆腐小僧の幼なじみは絹豆腐のお絹ちゃん。
地方から出てきたざる豆腐と所帯をもって、ざる豆腐の在所へ行くようです。
なぜかドラマチックになっちゃった豆腐小僧www

Twitterのフォロワーさんに箱ドットのアイコンを作っていただきました♪
前に翡翠をいただいていたんですが、猫又だと言うことで尻尾二本バージョンと、琥珀と瑠璃丸も!
ありがとうございます(^^)
愛されてるなあ、お前ら。

翡翠尻尾二本バージョン


琥珀


瑠璃丸



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神隠し HOME 男子の懇願/嘘つき

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自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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