宵月楼-しょうげつろう-
あやかし風味。ミステリー皆無。恋愛要素多少混入。
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【873】 赤い
あなたの血が赤いのを、私は何よりも知ってる。そう、何故ならあなたの鎖骨の上に小さくつけた傷痕から、滲み出した赤い血を今見ているからだ。傷をつけたのは私。その赤い一筋を愛しく思う心のままにそっと唇を寄せたのも私。貴重な赤い血のなんと甘美で熱いことか。
書き出しをお借りして。
【874】 忘れた翼
「空の飛び方教えます」薄暗い路地を抜けた先の小さな店に、そんな張り紙が出ていた。大きく開かれた戸口から中をうかがってみる。中に居たのは背中に翼を持つ少年。「やあ、いらっしゃい。飛び方を忘れたお仲間だね?」隠して生きてきた翼が震えた。
書き出しをお借りして。
【875】 記憶
忘れたことなんてなかった。忘れたふりをしていただけで。だからこんな月の綺麗な夜には、押し込めたはずの記憶が後悔と共に溢れだす。無慈悲な白い月光はまるで鋭い刃のように心臓に突き刺さり、取り戻せない時間を責める。心が贖罪の血を流す。
書き出しをお借りして。
ちょっと泣き言を書いたら、励ましていただきました。
もともとが自分の楽しみでやっているのに、やはり見てもらえるかどうかを気にしてしまうのは良くないなあと思います。
そのうち、読んでもらうために自分のスタイルを崩すことにもなりかねないし。
それでも時々へたれたりしちゃうんですよ。
優しい言葉をありがとうございます。
マイペースでがんばります(^^)
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あなたの血が赤いのを、私は何よりも知ってる。そう、何故ならあなたの鎖骨の上に小さくつけた傷痕から、滲み出した赤い血を今見ているからだ。傷をつけたのは私。その赤い一筋を愛しく思う心のままにそっと唇を寄せたのも私。貴重な赤い血のなんと甘美で熱いことか。
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【874】 忘れた翼
「空の飛び方教えます」薄暗い路地を抜けた先の小さな店に、そんな張り紙が出ていた。大きく開かれた戸口から中をうかがってみる。中に居たのは背中に翼を持つ少年。「やあ、いらっしゃい。飛び方を忘れたお仲間だね?」隠して生きてきた翼が震えた。
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【875】 記憶
忘れたことなんてなかった。忘れたふりをしていただけで。だからこんな月の綺麗な夜には、押し込めたはずの記憶が後悔と共に溢れだす。無慈悲な白い月光はまるで鋭い刃のように心臓に突き刺さり、取り戻せない時間を責める。心が贖罪の血を流す。
書き出しをお借りして。
ちょっと泣き言を書いたら、励ましていただきました。
もともとが自分の楽しみでやっているのに、やはり見てもらえるかどうかを気にしてしまうのは良くないなあと思います。
そのうち、読んでもらうために自分のスタイルを崩すことにもなりかねないし。
それでも時々へたれたりしちゃうんですよ。
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【870】 迎え
どうなっている。
何故、ネコの大群の中に俺はいるのだろう。
首をかしげていると一匹の猫が歩みでた。
「新しき猫王よ。お迎えにあがりました」
「俺が?」
「そうです」
「ちょっと待て。俺は人間」
「どこがです?」
驚いて見ると、俺は二股尻尾のトラ猫になっていた。
書き出しをお借りして。
【871】 言葉
僕の心がからからに乾くから、どうか君の言葉をちょうだい。嘘でもいい、心が入ってなくてもいいから、君の言葉をちょうだい。鋭くてもいい、重くても軽くてもいいから、君の言葉をちょうだい。君がいるっていう証をちょうだい。
【872】 誘惑
体を突き抜けて飛び出した言霊が方向を見失ってめちゃくちゃに飛び回る。手を伸ばしても捕まらない。指の間をすり抜けて、僕を嘲笑うように身を翻す。押さえ込んでどうすんだ?傷だらけになっても叫べばいいと誘惑する。
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何故、ネコの大群の中に俺はいるのだろう。
首をかしげていると一匹の猫が歩みでた。
「新しき猫王よ。お迎えにあがりました」
「俺が?」
「そうです」
「ちょっと待て。俺は人間」
「どこがです?」
驚いて見ると、俺は二股尻尾のトラ猫になっていた。
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【871】 言葉
僕の心がからからに乾くから、どうか君の言葉をちょうだい。嘘でもいい、心が入ってなくてもいいから、君の言葉をちょうだい。鋭くてもいい、重くても軽くてもいいから、君の言葉をちょうだい。君がいるっていう証をちょうだい。
【872】 誘惑
体を突き抜けて飛び出した言霊が方向を見失ってめちゃくちゃに飛び回る。手を伸ばしても捕まらない。指の間をすり抜けて、僕を嘲笑うように身を翻す。押さえ込んでどうすんだ?傷だらけになっても叫べばいいと誘惑する。
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【868】 指先
ふと触れた指先が、泣けるほど愛しくて、思わず流れた涙に自分で狼狽えたりして。かっこわるいから見ないでよ。そう言って顔を立てた膝に埋めたけど、触れている指先だけは、探るように、少し震えながらいつしか絡めて。離さないよ。離れないよ。どうかこのまま時間を止めて。
今日の書き出し/締めの一文 【 ふと触れた指先が、泣けるほど愛しくて 】 http://po.st/xX5xh2
【869】 綺麗事
綺麗事が通用する世界がお望み? 女神は問う。俺は無言で首を振る。綺麗事などなんの役にも立ちはしない。世の中は綺麗事を馬鹿にして、世知辛いことが美徳であるように振る舞う。でも、綺麗事が当たり前になったなら。馬鹿げた願いを、女神はそっと胸に抱き締めてくれた。
今日の書き出し/締めの一文 【 綺麗事が通用する世界がお望み? 】 http://po.st/xX5xh2
ご訪問ありがとうございます。
ちょっと最近、読まれない文章に意味はあるのか、と悩んだりしていたので、ご訪問があるだけでもとても嬉しいです。
ありがとう。
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ふと触れた指先が、泣けるほど愛しくて、思わず流れた涙に自分で狼狽えたりして。かっこわるいから見ないでよ。そう言って顔を立てた膝に埋めたけど、触れている指先だけは、探るように、少し震えながらいつしか絡めて。離さないよ。離れないよ。どうかこのまま時間を止めて。
今日の書き出し/締めの一文 【 ふと触れた指先が、泣けるほど愛しくて 】 http://po.st/xX5xh2
【869】 綺麗事
綺麗事が通用する世界がお望み? 女神は問う。俺は無言で首を振る。綺麗事などなんの役にも立ちはしない。世の中は綺麗事を馬鹿にして、世知辛いことが美徳であるように振る舞う。でも、綺麗事が当たり前になったなら。馬鹿げた願いを、女神はそっと胸に抱き締めてくれた。
今日の書き出し/締めの一文 【 綺麗事が通用する世界がお望み? 】 http://po.st/xX5xh2
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【865】
誰にも誉められないどころか誰にも読んでもらえない文章に、なんの価値があるんだろう。
【866】
好きと苦手が入り交じる人は、どうでもいい人よりよほど自分に近しいのだろう。縁はいきなり僕を絡めとり、僕をかき回し、僕を放り出す。気持ちが波立つ。僕の醜さが露呈する。
【867】
こうしてまた、君の影を垣間見る時まで、僕は一人彷徨い続けるのです。
参加しています。もしよろしければクリックお願いします。にほんブログ村
誰にも誉められないどころか誰にも読んでもらえない文章に、なんの価値があるんだろう。
【866】
好きと苦手が入り交じる人は、どうでもいい人よりよほど自分に近しいのだろう。縁はいきなり僕を絡めとり、僕をかき回し、僕を放り出す。気持ちが波立つ。僕の醜さが露呈する。
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【862】 半分はどこに
心の半分を君にあげてしまったから、僕は半分透き通ってしまった。どこにいても誰も僕に気づかない。君ですら気づかない。だって君はもう僕の心を捨ててしまったんだから。どこに捨てられたかもわからないから、もう僕の半分は戻ってこない。永遠に僕は亡霊のように彷徨い続ける。
お題:今日の書き出し/締めの一文 【 心の半分を君に 】 http://t.co/8GpUt2o7
【863】 薫風
風伯が騒いでいる。「多少荒いが許せよ!春の霞を吹き飛ばし、新緑をもっと綺麗に見せるでの!」「あんまり吹くと葉が飛んじまうんじゃねえか?」「大丈夫じゃ!元気で丈夫な若葉じゃ!」確かに木々の勢いは命に溢れて、強い風にもしなやかに揺れている。気持ち良さそうだった。
【864】 蛍火狩り
「蛍を捕まえなきゃ」僕が言うと、君は不思議そうに首を傾げた。「蛍?」「蛍を捕まえてランプに灯りをもらうんだ。夏はあやかしが活発になるから魔除けに」「初めて聞いた」「さ、早く」綺麗な硝子のランプを持って、僕らは月夜をひた走る。手を繋いでいれば夜だって怖くない。
お題:「月夜」、「硝子」、「蛍」で創作しましょう。 #jidaiodai http://po.st/rgulxe
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心の半分を君にあげてしまったから、僕は半分透き通ってしまった。どこにいても誰も僕に気づかない。君ですら気づかない。だって君はもう僕の心を捨ててしまったんだから。どこに捨てられたかもわからないから、もう僕の半分は戻ってこない。永遠に僕は亡霊のように彷徨い続ける。
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【863】 薫風
風伯が騒いでいる。「多少荒いが許せよ!春の霞を吹き飛ばし、新緑をもっと綺麗に見せるでの!」「あんまり吹くと葉が飛んじまうんじゃねえか?」「大丈夫じゃ!元気で丈夫な若葉じゃ!」確かに木々の勢いは命に溢れて、強い風にもしなやかに揺れている。気持ち良さそうだった。
【864】 蛍火狩り
「蛍を捕まえなきゃ」僕が言うと、君は不思議そうに首を傾げた。「蛍?」「蛍を捕まえてランプに灯りをもらうんだ。夏はあやかしが活発になるから魔除けに」「初めて聞いた」「さ、早く」綺麗な硝子のランプを持って、僕らは月夜をひた走る。手を繋いでいれば夜だって怖くない。
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HN:
宵月楼 店主
性別:
非公開
自己紹介:
オリジナルの短い文章を書いています。アニメ、ゲーム、小説、マンガ、音楽、手作り、すべてそれなりに広く浅く趣味の範囲で。
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